肉離れの痛みをなくせ!治療法・テーピング・リハビリ!全手順

スポーツでは、思わぬことでケガをする事があります。
特に肉離れは、突然襲ってきてくるのでやっかいなケガです。
今回は『肉離れ』の原因・治療・リハビリ・予防について詳しく解説します。

肉離れとは?

スポーツ動作などで急激な力が加わり、筋肉が強く引っ張られたり、強く収縮した負荷によって、筋肉の線維や筋原線維、その線維を包んでいる筋膜が損傷した状態をいいます。正確な診断名は筋損傷や筋断裂といいます。

筋肉をそうめんだとしてイメージしてみて下さい。

筋肉はそうめんの束みたいに考えてみます。

そうめんを束ねているテープが筋膜、そうめんが筋線維だと仮定して、テープやそうめんが傷ついた状態が肉離れです。

痛めた際には何かが切れたようなブチッという鈍い感触があります。

そしてその後に筋肉を伸ばしたり、力を入れると痛みがありスポーツの継続が困難となります。

症状として、患部が腫れ、筋硬結と呼ばれるしこりのようなものができます。

また損傷している部位が陥凹(へこんだ状態)したり、内出血がみられる事もあります。

肉離れの原因は?

急激な負荷が筋肉にかかると発症しやすいですが、以下の原因があると特になりやすいです。

肉離れになりやすい人の特徴!

柔軟性の低下
筋力低下
疲労
周りの筋肉との筋力のアンバランス
過去に肉離れをしている

特に寒い時期に起こりやすいのも特徴です。筋肉は冷えると血液循環が悪くなり硬くなる性質があるためと言われています。

また過去に肉離れを起こしていると、筋肉の硬さや弱さが残存している事が多く、非常に再発しやすいのも特徴です。

一流のプロスポーツ選手でさえ、復帰して早期に再発を起こすほどなので注意が必要です。

子供は肉離れにならない⁈

肉離れは10代〜30代に多いといわれていますが、小学生のジュニア期ではあまり発症しません。

理由として子供の時期は筋肉の柔軟性がしっかりと保たれている事、筋力自体もまだ未発達で損傷する程の負荷はかかりにくいためといわれています。

肉離れの重症度での分類

Ⅰ度(軽傷): 患部に軽い圧痛。陥凹はなし。歩く事にはさほど支障はないがダッシュやジャンプは困難

Ⅱ度(中等度): 患部の圧痛が明確。陥凹が見られる事が多い。歩行にも支障をきたしダッシュ、ジャンプはもちろん、軽いランニングも困難

Ⅲ度(重症): 患部に強い圧痛。陥凹が明らかにみられ、早い段階から内出血がみられる。歩くのも困難で手術が必要な場合もある。

注目!

正確な重症度を診断するには筋肉の出血や断裂の程度をMRIなどの検査で診る事が必要です。

筋肉はそうめんの束みたいに考えてみます。

大まか過ぎますが筋肉をそうめんでイメージして例えると・・・

Ⅰ度:そうめんを束ねているテープが切れた状態
Ⅱ度:そうめんが3分の1~半分程度折れた状態
Ⅲ度:そうめんがほぼ全部折れた状態

おおよそですが復帰までの目安は

Ⅰ度:1〜2週程度
Ⅱ度:1ヶ月程度
Ⅲ度:数ヶ月(手術によっては長期かかる事も)

といわれています。

筋肉痛とは違うの?

一見肉離れと筋肉痛は症状が似ており、同じように捉えられるかもしれません。
特にⅠ度の軽傷であると筋肉痛と思いこんでしまう事も多いかと思われます。

一般に筋肉痛と呼ばれているものは正確には遅発性筋肉痛といいます。
運動した翌日以降から筋肉にはりや痛みが出る症状で、誰もが経験のある事かと思います。

実はこの筋肉痛、正確なメカニズムはまだ解明されいません。

有力な説は

●運動によって疲労物質である乳酸が溜まった状態
●運動によって筋肉に微細な損傷が起こり、それを修復しようする過程で痛みを感じる発痛物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン)が神経を刺激している状態

といわれる事が多いのですが最近では後者の説が有力のようです。

肉離れと筋肉痛の見分け方

一見わかりづらいですが、肉離れと筋肉痛の明らかな違いを簡単にまとめます。

●肉離れ

●受傷時にブチ、ピキッといった断裂音がある
●受傷後すぐに痛みが生じる
●痛む場合が局所的
●重度だと患部に陥凹、内出血がある

●筋肉痛

●1〜2日後に痛みが出る
●痛む場所が筋肉全体的
●数日で軽快する

肉離れを起こしやすい部位

肉離れは下半身の筋肉に起こりやすく、特に太ももの後面のハムストリングス、ふくらはぎの下腿三頭筋の頻度が非常に多いです。

時に太ももの前面の大腿四頭筋、太もも内側の内転筋にも起こる事があります。

主に急激なダッシュやジャンプ動作などで発症する事が多いです。以下にこれらの筋肉を簡単に説明していきます。

①ハムストリングスの肉離れ

ハムストリングス

大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋という3つの筋肉から成り立ってます。

太ももの後ろに位置する筋肉で、骨盤の坐骨という部位から脛骨と呼ばれるスネの骨についてます。

主な働きとしては膝を曲げる作用、股関節を後ろに引く作用があります。

動作としては歩行や走行時に振り出した足のブレーキとしても作用します。なので急なダッシュをした際に、このブレーキ作用によって肉離れが起きやすいともいわれます。

②下腿三頭筋の肉離れ

下腿三頭筋

腓腹筋、ヒラメ筋と呼ばれる筋肉から成り立ってます。ふくらはぎにある筋肉で、腓腹筋は大腿骨から踵に、ヒラメ筋は脛骨と腓骨から踵についています。

腓腹筋の働きとしては膝を曲げる作用と足首を下に向ける底屈の作用があります。

ヒラメ筋の働きは底屈が主です。

動作としてはつま先立ちや、歩行や走行時に地面を蹴る動作で働きます。
また立った状態で膝を曲げて行く際のブレーキとしても作用します。

③大腿四頭筋の肉離れ

大腿四頭筋

大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋の4つの筋肉から成り立ってます。

太ももの前面にある筋肉で、大腿骨(太ももの骨)から脛骨(スネの骨)についています。大腿直筋のみ骨盤から、脛骨につきます。

主な働きとしては膝を伸ばす作用と股関節を前にあげる作用があります。

動作としてはジャンプやダッシュで足を伸ばす作用や膝を曲げる動作のブレーキとして主に働きます。

④内転筋の肉離れ

内転筋

恥骨筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋と呼ばれる筋肉から成り立ってます。

大まかにですが骨盤から大腿骨、脛骨についています。

主な働きとしては股関節を内側に曲げる内転という作用があります。

また骨盤や体幹を安定させる働きもあります。

肉離れの治療法

肉離れの治し方は、最初の3日間で痛みを取り除き、次に、テーピング、ストレッチ、筋トレというリハビリを行います。

①RICE処置

①肉離れになってしまったら、まず2〜3日はRICE処置をします。

RICE処置とは

Rest(安静): 患部を極力動かさない。

Ice(冷却): 患部を冷やして血管を収縮させて腫れや熱感を最小限に留める

Compression(圧迫): 患部を適度に圧迫して腫れ、炎症を抑える

Elevation(挙上): 心臓よりも高い位置に患部を置き腫れ、炎症を抑える

受傷後のRICE処置を行うかでその後の回復が大きく変わってきます。まずは腫れや熱感を最小限に抑えることが大切で、そのためのRICE処置となります。

注意!

特に痛めてすぐの急性期は患部を温めたり、マッサージをしたりすると腫れが悪化するため要注意です。またストレッチも損傷部位をさらに広げてしまうため厳禁です。

②ストレッチ・筋トレなどのリハビリ

痛みが引いてきたら温めて血液循環を改善し、スポーツ復帰に向けてストレッチ、筋トレなどのリハビリを行います。

肉離れの程度や回復具合によってストレッチや筋トレを行う時期が異なります。

患部の筋を伸張させても痛みが出なくなれば徐々に始めていきますが、再発予防のためには病院でちゃんと診断を受けることをオススメします。

先ほど挙げた肉離れを特に起こしやすいハムストリングスと下腿三頭筋について、復帰のためのストレッチ、筋トレ、テーピング方法をお伝えします。

ハムストリングスの肉離れのリハビリ

●ストレッチ方法

椅子に座り足を伸ばします。
そのまま上半身を前傾させていき、ハムストリングスが伸びている感じを確認してそのまま30秒ゆっくりと伸ばします。

正しい姿勢でストレッチ

ポイントは骨盤をしっかりと起こす事です。骨盤が倒れているとしっかりとハムストリングが伸ばせません。

ダメな姿勢・骨盤が倒れている

●筋トレ方法

膝を曲げた状態で仰向けになります。
この時の膝の角度は90度以下とします。

この状態からお尻を持ち上げ、ゆっくりと降ろします。

※膝の曲がりが浅いほどハムストリングスが優位働きます。曲がりが深いとお尻の筋肉が優位に働きます。

片足で行うとより負荷がかかります。

●テーピング

用意するもの:テープ

テーピングはキネシオテープと呼ばれるもので、効果としては治癒の促進、再発の予防があります。よく復帰した選手が再発予防のため巻いている姿を見かける事も多いかと思います。


テープはドラッグストアーやAmazonで購入出来ます。


前屈してハムストリングスを伸ばした状態をとります。

坐骨(座った時に座面に当たる骨の部分)から膝の裏のハムストリングスの腱に向かってテープを少し引っ張っりながら貼っていきます。
※写真はタイツの上からですが実際は直接皮膚へ貼ります

下腿三頭筋の肉離れのリハビリ

●ストレッチ方法

伸ばしたい方を後ろに引いて立ちます。

踵が床から離れないようにして前に重心をかけ伸ばしていきます。

膝を伸ばしたままだと腓腹筋が、
膝を曲げるとヒラメ筋がより伸ばされます。

つま先がなるべく正面を向くようにする事がポイントです。

●筋トレ方法

カーフレイズといいます。
簡単にいうとつま先立ちです。踵を上げてゆっくりと降ろしていきます。

●テーピング

アキレス腱伸ばしの要領でふくらはぎを伸ばした状態をとります。

踵から膝の裏にかけてテープを少し引っ張りながら外側と内側に貼っていきます。

※写真はタイツの上からですが実際は直接皮膚へ貼ります。

まとめ

●肉離れとは筋肉の筋線維や筋膜が損傷した状態。
●特にハムストリングスと下腿三頭筋に起こりやすい
●急激な筋肉への負荷で起こりやすい。
●筋の柔軟性低下、筋力低下、疲労、筋力のアンバランスなどが原因である。
●非常に再発しやすいケガなので復帰に向けたリハビリが重要である

楢崎佑葵(理学療法士)●文

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