少年野球・親ができる最大限のサポートとは?それは「食事」です

皆さんのお子さんは野球をやってますか?頑張っている少年・少女たちをバックアップしたいものですね。
元気でグラウンドを走りまくる少年たち。その基本は自宅での「食事」にあると考えます。
今回は少年野球に適した栄養の摂り方について考えていきます。

少年野球の指導はコーチに。親は何をする?

リトルリーグで頑張る子供に親が出来ることは、練習方法に口を出したりすることではありませんね。食事で子供を支えることが親のできる最大のサポートです。ですが、毎回子供が大好きなものばかりを並べるのはいけません。

プロ野球選手になりたいという子供の夢をサポートするには、親が正しい知識を持って、正しい食事の習慣を身に着けさせることが大事になるのです。

成長に合わせたバランスの良い食事が基本

食欲旺盛な子供、食の細い子供などいろいろいますが、子供の成長に合わせた食事が必要です。

日本男児の平均的な体格は以下の通りです。

3~5歳  103.6cm 16.5kg
6~7歳  119.5cm 22.2kg
8~9歳  130.4cm 28.0kg
10~11歳 142.0cm 35.6kg
12~14歳 160.5cm 49.0kg

この体格の子供で厚生労働省から栄養量が示されています。この数字を基本として、子供の体格などを考慮して、栄養量を設定します。

6~7歳  1,750kcal
8~9歳  2,100 kcal
10~11歳 2,500 kcal
12~14歳 2,900kcal
※男児のエネルギー量

毎日野球の練習をする事を考え、身体活動レベルをⅢ(高い)に設定しました。

お母さん(成人女性20代生活活動レベルⅠ低い)で1650kcalですから、小学校高学年になるとお母さんの倍の量を食べていても、おかしくありませんね。

3食でこのエネルギーが摂れない場合や、食事量が少ない場合は、補食(おやつ)でエネルギーを摂るようにします。

補食はお菓子や菓子パンではなく、おにぎりやサンドイッチなど簡単な食事の形が望ましいです。休日や夕食後の補食には、うどんやおじやなど、食べやすいもので補うと、食の細い子供でも食べやすいでしょう。

少年野球・試合の日の食事

昔は縁起を担いで、試合の前の日などにトンカツを食べたりしましたが、今は栄養の知識がだいぶ広まり、トンカツのような揚げ物は試合前には避けるようになってきました。

脂肪は消化に時間がかかり、翌日まで胃にもたれることもあるので、試合前の食事には適しません。

しかし、食べてはいけないというわけではなく、揚げ物を食べても体調に全く変わりがなく、むしろ子供が食べたいという場合には試合前日に揚げ物でも構いません。

また、試合で体力が無くならないように、前日から大量に糖質(ごはん、パン、麺類)を食べるというグリコーゲン・ローディングの一部だけが、野球指導者や親の間で広まっていることもあります。

グリコーゲン・ローディングとは

スポーツなどの場面で、運動エネルギーとなるグリコーゲンを通常より多く体に貯蔵するための運動量の調節および栄養摂取法である。カーボ・ローディングとも呼ばれる。

野球というスポーツの特性上、試合時間は長いけれどそのほとんどの時間は動いていません。野球の試合で体力切れとなることは少なく、グリコーゲン・ローディングの必要はありません。試合の日は空腹のまま試合を続けることにならないようにだけ気をつけ、おにぎりやバナナなどの補食を適宜摂るようにすれば問題ありません。

試合の日だからと言って、特別に張り切ったお弁当にしたり、普段食べ慣れないものを食べさせると、子供でも下痢や腹痛が起こります。

いつもはバナナを食べない子供が、試合の日だけバナナを食べるといったことも良くありません。いつものメニューでいつもの味を守るようにしましょう。子供が食べて嬉しくなる特別メニューは、試合が終わってからにします。

将来プロ野球選手を目指す子供の食育

おかずばかりでご飯を食べない、お菓子を食べ過ぎて食事が食べられない、ジュースばかり飲んでいる、朝寝坊で朝食が食べられないなど、子供にありがちな良くない食習慣があります。

食育は、手作りの料理を食べさせることだけではありません。地産地消として地元の食材を食べることだけでもありません。

将来プロ野球選手を目指す子供の食育は、良くない食習慣を断ち切り、野球の為に「自分に必要な食事を自分で選んで食べ、不必要なものを我慢することが出来るようにする」ということです。

将来プロ野球選手を目指す子供こそ、食事の基本を覚え、自分で考えて食事を選べる子供にしないといけません。

食事をおろそかにすると、選手生命は必ず短くなります。野球の練習を頑張っている様子は誰から見ても判りますが、食事を頑張っている様子はなかなか外から見えません。

野球が上手で練習を休まない丈夫な子供は、実は食事も頑張っていることが多いのです。両親は子供が試合に出られた、ホームランを打ったなどの目先の成果だけではなく、将来を考えた長い目も持って、子供の食事を準備してあげてください。

牛乳は多くても1日500ml程度まで

野球でも、体が大きいことは有利です。身長190cm超えのプロ野球選手が増えてきましたね。

身長を伸ばすために、昔から効果があると言われているのは牛乳ですね。牛乳をたくさん飲めば身長が伸びるのかというと、伸びる事はありません。

骨を丈夫にするためにはカルシウムが必要です。牛乳はカルシウム豊富で摂りやすい食品の代表です。成長期に骨に必要な分のカルシウムを摂らなければ、身長に影響する事もあるでしょうけれど、牛乳を飲めば飲むだけ身長が伸びたということはありません。

骨を作るには、カルシウムの他にビタミンDやマグネシウムなどの微量栄養素が必要です。牛乳だけ飲んでも骨が作られるわけではありません。

さらに、牛乳にはタンパク質や脂肪も多く含まれており、他の食品とのバランスを考えると1日500ml程度が限度です。牛乳を水代わりにガブガブ飲むのはやめましょう。

身長を伸ばすのに必要なことは、バランスの良い食事と、しっかりとした睡眠です。

睡眠中は成長ホルモンがたくさん出ますので、「寝る子は育つ」というのは間違いではありません。遅くまでテレビを見たりゲームをしていると、体は大きくなりません。

サプリメントは基本不要

スポーツショップに行くと、たくさん並んでいるサプリメントは、とても魅力的です。パワー不足や、なかなか速く走れないなど悩んでいる子供にとっては、魔法の薬のように見えてきますね。

このサプリメントですが、子供には基本的に不要です。サプリメント自体にデメリットが多いのではなく、食事の基本を理解していないままに安易に利用してしまうことが問題なのです。

子供は安易に「サプリメントでビタミンやミネラルを摂っているから、野菜を食べなくていい。」と考えてしまいがちです。

野菜を食べない食事では、お腹を満たすためにご飯やお肉などをたくさん摂る事になります。そうなると、糖質やタンパク質や脂肪を摂りすぎてカロリーオーバーになり、結果として太ってしまうことに繋がります。

「プロテインを飲んでるから、筋力アップ!」と思っても、食事で十分なタンパク質を摂っている場合には、摂りすぎになってしまいます。筋力がないのは、ただの練習不足という場合も多いのです。

食が細くて必要なエネルギー量が摂れずに、練習をすればするほど痩せてしまう場合や、アレルギーなどで食事の制限があり、なかなか食べれれない場合などには、サプリメントの利用もいいですね。間食として補給するようにします。

まとめ

基準の栄養量から、子供の体格などを考慮して1日の摂るべきエネルギー量を決めます。

3食で必要なエネルギー量が摂れない場合は、間食をして補います。それでも痩せてきてしまう場合などには、サプリメントの利用も考慮します。試合中は空腹になりすぎないように食べ慣れた物を適宜捕食します。

プロ野球選手として食事のコントロールが自分でできるように食育をしていくことも大事なことです。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

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