肉VS魚 全面対決!!アスリートの食事で大切なのはどっちだ?!

アスリートの活力源は『肉』!!と言われている。
よく焼肉を〇人分食べた!と豪語するスポーツ選手がいるが
一方で、『魚を食ったぜ!』という選手はほとんどいない。

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今回はアスリートにとって肉と魚とどちらが大切なのか?
管理栄養士の視線から検証してみる。

肉食にかたよりがちなアスリート

スポーツ選手に限らず、魚嫌いは多いですね。魚も美味しいし、食べられても、なかなか魚を積極的に選ぶ気になれないという人がほとんどでしょうか。

「魚は体に良いから食べよう!」とよく言われますが、何がどう体に良いのでしょうか?海外の大きな体格の欧米人は、魚をほとんど食べていない人も多いですね。やはり魚より肉の方が体が大きくなるのでしょうか?

スポーツ選手にとって、魚を食べることが必要かどうか、栄養士がそこのところを説明します!

魚を食べないとどうなる?

「肉・魚・卵・乳製品・大豆製品」は、筋肉の素になるタンパク質を多く含むので、タンパク質性食品とも言われます。そして、食事の「主菜(メインのおかず)」となる食品でもあります。

魚と他のタンパク質性食品の一番の違いは油の種類(その中でも不飽和脂肪酸)です。肉(豚ロース肉)、魚(真鯖)、サラダ油で、不飽和脂肪酸の比較を見てみましょう。

不飽和脂肪酸の比較(100g中)

 n-6系n-3系n-3系n-3系
リノール酸DHAEPAα-リノレン酸
豚ロース(脂身つき)1400mg10mg0mg83mg
まさば190mg970mg690mg76mg
調合油(サラダ油)34000mg0mg0mg6800mg

体に必要なのは、n-3系脂肪酸です。これは摂らなければ皮膚症状など欠乏症が現れます。(α-リノレン酸の10~15%は体内でDHA・EPAになります。)

どの位のn-3系脂肪酸が体に必要かというと、1日530~795mg程です。(18~29歳、170㎝63kg 生活活動強度Ⅱの男性の場合)

国民健康・栄養調査から、20~29歳男性は1日30g程度のサラダ油を摂っています。

さらに、日常生活で魚を全く食べないわけでもないなど、さまざまに合わせて考えると、魚を主菜として食べなくても、n-3系脂肪酸の欠乏症状が現れることはほぼないと言えます。

しかし、この理由だけでは「魚は食べなくてもいい」とはならないのです。

問題は肉の脂にある

魚の油である不飽和脂肪酸について述べましたが、問題は不飽和脂肪酸ではありません。不飽和脂肪酸と対になる「飽和脂肪酸」なのです。

飽和脂肪酸の比較を肉(豚ロース肉)、魚(真鯖)、サラダ油で、不飽和脂肪酸の比較を見てみましょう。

飽和脂肪酸の比較(100g中)

 飽和脂肪酸
豚ロース(脂身つき)7.84g
まさば4.75g
調合油(サラダ油)10.97g
飽和脂肪酸は、ごはんやパンなどの糖質やタンパク質からも作られるので、欠乏症になることはありません。

さらに、通常の食事を摂っていれば、飽和脂肪酸は意識しなくても摂ることになります。そして、摂り過ぎが問題になるのです。

飽和脂肪酸には多くのエネルギーが含まれているので、ハードなトレーニングをするスポーツ選手も、消費しきれない位の飽和脂肪酸を簡単のに食事から摂ることができてしまいます。

消費しきれない飽和脂肪酸は、血液中に多く流れて血管を詰まらせたり、体に蓄積して肥満になります。

近鉄の金村選手はTV番組で血液ドロドロのチャンピオンになった

飽和脂肪酸を摂り過ぎないように、肉の量を減らせば、食事のボリュームが少なくなってさびしい食事になってしまいます。

なので、満足するボリュームの食事する為に、肉の代わりに食べる食品こそ、同じタンパク質食品である「魚」なのです。

魚は食べなければいけないのではありません。「肉(なかでも飽和脂肪酸)の摂取量を減らすために、魚を食べる。」と考えると良いですね。

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肉はスタミナがつくってホント?

それでもやっぱり肉を食べるとスタミナがつくから、やはり肉が大事という人もいますね。「スタミナがない=ガリガリに痩せている」という場合は、体にエネルギーを溜め込んでいないので、直ぐにエネルギー切れを起こします。

肉を食べてタンパク質と脂を効率よく摂って、体にエネルギーを溜め込まないといけません。

体に溜め込んでいるエネルギーが充分の場合、そのエネルギーを効率よく引き出して使うには、日々の練習が大事です。肉を食べたからと言って、スタミナはつかないのです。

では、なぜ「肉=スタミナ」と今でも言われるのでしょうか?

人は、肉に限らず食べ物を摂ると元気が出ますね。「食べた!」という気持ちは、たくさん噛むことでさらに増えます。

魚に比べて肉は硬いので、しっかり噛むことで食べたという気持ちをより強く持つことができるのです。

日本では江戸時代、動物の肉を食べることはほとんどありませんでした。しかし、この100年で肉を食べるようになってから寿命が延びたことも、肉がスタミナ源であると言われる由縁かもしれません。

さらに、魚よりも肉が美味しいと感じる人が多いのも、理由の1つです。肉のような常温で固形のものを脂(Fat)と書き、魚のような常温で液体のものを油(oil)と書きます。

食べた時にトロリと溶けて、口の中にまとわりつき、甘みを感じるのが「脂」です。

この脂が多くあり、赤身部分の旨味と合わさった時に、肉はとても美味しく感じるのです。これは、同じ位の「油」の量があるはずの鯖では感じられない美味しさです。

この美味しさを減らしたくないために、肉はスタミナが付くという理由を、いつまでも振りかざしてしまうのです。

スポーツ選手と魚

DHAやEPAが、スポーツのパフォーマンスに与える影響については、現在も研究が行われており、まだ明確に効果があるとまでは言えない状況です。

しかし、DHAやEPAには、血管をしなやかにする効果があるので、酸素運搬効率が良くなり、パフォーマンスが上がる可能性が考えられます。

欧米人が筋肉たっぷりで体格が良いのは、持って生まれた遺伝子の違いが大きいので、日本人がそっくりそのまま真似をすると、たちまち体の不調をきたします。

日本人が、日本的な食事のボリュームを維持しつつ、体重コントロールを行うためには、魚は欠かせない食材と言えるでしょう。

魚を食べる頻度は、1日1回は食べる事が望ましいです。魚を食べる意味は、

・肉の脂の摂取を減らすこと
・EPAやDHAを摂ること

の2つです。サプリメントでDHAやEPAを摂っても、もともと肉の脂をたくさん食べる人にとっては、半分の意味しかありません。

今まで魚をあまり食べなかった人は、週に1回程食べることから始めても良いですね。ツナ缶やお刺身など、食べやすいものから取り入れていきましょう。一緒に肉の脂を減らす事を忘れないで下さいね。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

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