どうしても完走したい!マラソン3日前~前日の食事の摂り方

今はマラソンブーム。皆さんは日々、ランニングなどの練習を重ねていると思います。前回はトレーニング中の日々の食事の方法について書きましたが、今回はマラソン大会3日前~前日の食事の摂取のしかたについて説明します。フルマラソンで完走したという目標をもっているなら必要な食事法なので参考にして下さい。

マラソン大会前の食事はいつもと違う!

練習を積み重ねてきて、大会まであと数日!その頃からは「鍛えるトレーニング」から「調子を整えるトレーニング」に練習方法も変わってきますね。食事も「調子を整える食事」に変えていく頃です。

長時間体を動かし続けるマラソンは、数日前から前日に食べた物の影響を受けます。大会前に最良のコンディションになるように、食事を摂っていきましょう。食事をコントロールできた自信は、大会でも結果を出す自信につながります。

初心者だってフルマラソンを完走できる!練習時の7つの食事法

2016.11.16

大会3日前からの食事のポイント

エネルギーを一気に貯め込む!カーボローディング

マラソンを趣味とする人なら、カーボローディングを一度は聞いた事があるかと思います。

★ざっくり説明★カーボローディングとは

大会3日前から炭水化物(糖質)を一気に食べて、大会当日にパワーを出す方法

従来のカーボローディングとは、大会一週間前に一度、体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質(グリコーゲン)を使い果たし、たんぱく質とビタミン・ミネラルを摂る食事を続け、大会3日前に一気に糖質の多い食事を摂ってグリコーゲンを溜め込む方法です。

「大会前日に炭水化物をドカ食いする」のはカーボローディングの一部でしかありません。

この方法、実は失敗する可能性がとても高いのです。まず、自分自身のグリコーゲンを使い果たす運動量が判断できませんね。

その後もタンパク質やビタミン・ミネラルの摂取不足になったり、トレーニングのし過ぎもあります。体の微妙な調整ですので、失敗して体調不良になるのと紙一重です。そうなるともう、マラソンの記録更新どころか、完走も怪しくなってきます。

どれくらいの練習量、どの位のたんぱく質量などと数字を示せればいいのですが、人によってかなり違うので目安を示すことができません。一流アスリートですら大会前の調整を間違えて失速したり、途中棄権もよくあることです。

市民ランナー向け炭水化物の摂取(カーボローディング)の方法

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先ほどのカーボローディングは、体に大きな負担をかけますので、市民ランナーにはおすすめする方法ではありません。

市民ランナーにおすすめするカーボローディングは、大会3日前から、炭水化物(糖質)(ごはん、パン、麺類)を1.5倍増しにして、たんぱく質(肉、魚、卵、豆腐)を半量にする事です。

食品名一食の量糖質の量
白米茶碗一杯(150g)55.1g
玄米茶碗一杯(150g)53.9g
食パン6枚切り1枚(60g)26.6g
うどんめん(250g)58.5g
そばめん(170g)47.3g
じゃがいも(約1個)110g16.1g
サツマイモ(約1個)200g52.5.g
バナナ1本(220g)28.2g
まとめ。
大会3日前から必要な食べ物・その1
・炭水化物を1.5倍増し
・たんぱく質を半分に減らす

※一流アスリートの真似をしない事が重要です。

ビタミンB1とミネラルを摂る

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糖質多めの食事を摂っている時に、同時に多く摂りたいビタミンはビタミンB1です。ビタミンB1は、糖質がエネルギーとして燃える時に必要なビタミンです。

これを摂らなければ、糖質は上手く燃えてくれず、燃えカスが増えて、疲労になります。ビタミンB1の多い食品の代表は、豚肉です。赤身に多いので、豚ヒレ肉がおススメです。

食品名ビタミンB1 の量
豚ヒレ肉100g0.98mg
豚もも肉100g0.91mg
ボンレスハム100g0.90mg
大豆100g0.83mg
豚ロース100g0.69mg

体の中でエネルギー生産にかかわっているのは、もちろんビタミンB1だけではありません。他のビタミン・ミネラルも複雑に絡み合っています。

大会前の糖質多めの食事を摂っている時だけは、サプリメントを利用するのもいいですね。

まとめ。
大会3日前から必要な食べ物・その2
・ビタミンB1(豚ヒレ肉に多い)
・ミネラル(サプリメントを上手に活用)

水分をしっかり補給!!脱水症状を防げ!

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マラソンで脱水症状になり、完走できないのは一流アスリートですらよくあることです。

大会前の数日間、1~1.5ℓの水をこまめに摂り、体を水で満たしておいて脱水症状を防ぎましょう。これはウォーターローディングと呼ばれる調整方法です。

大会中でも水分はこまめの摂りますが、喉が渇いたと感じる頃は、既に脱水症状が始まっています。このウォーターローディングは普段の練習中でも必要ですね。

1回の補給量は200~250ml程度にします。ペットボトル半分程度と覚えておきましょう。それ以上1回で飲むと、体にから出ていってしまいます。

余分な水分は出ていくだけなら、たくさん飲んでも良いんじゃないかと思われるかもしれませんが、尿として体外に出る時にも、ミネラル類が失われるので良い事ではありませんね。

ウォーターローディングに使用する水は、汗として失うカルシウムやナトリウムが入った水が良いのですが、多すぎても少な過ぎてもいけません。

硬度300程の水が適しています。日本で手に入りやすいのは、エビアン(evian)ヴィッテル(vittel)などですね。スポーツドリンクは不向きです。

まとめ。
大会3日前から必要な食べ物・その3
・水 1~1.5リットルを毎日飲む!
硬度300(エビアン・ヴィッテル)がおススメ

大会前日の食事の注意事項!

大会開催地の名物料理は避けよう!

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市民ランナーでも、遠くの大会に出場するために遠征する人も増えてきましたね。その地域の美味しいものを食べたいかもしれませんが、大会前は止めておきましょう。「大会前日は○○を食べる」と決めて、同じものを食べる事が大事です。

たとえば、大会前夜の夕食は「パックご飯2個」「サバの味噌煮缶」「インスタントみそ汁」と決めてしまえば、地元の大会なので自宅で食べる時でも、遠征でホテル前泊でも同じ物を食べることができます。

大会前日だから、食べ慣れないけれどパスタやお餅を詰め込んだり、お腹の調子が悪くなる事を心配してゼリー飲料しか摂らなかったりするのは、体調を悪くする原因ですね。

脂質を控える

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大会前日は、脂質を抑えた食事にします。これは、脂質が消化吸収が悪いとう理由です。

なかには、「どんなに脂っこいものを食べても、胃もたれしないよ!」という頑丈な胃腸の持ち主もいるかもしれませんが、大会前はとてもナーバスになりますので、いつもは胃もたれしないトンカツや唐揚げが、何故かもたれて気持ち悪い…なんてこともあるかもしれません。

脂は消化に半日以上かかります。前夜の食事で脂っこいものを摂ると、大会当日まで胃もたれしてしまうこともあります。揚げ物を避け、豚肉牛肉はロースやヒレ、鶏肉は皮を外すだけで脂質は減らせますよ。

大会3日前までは、脂を避ける必要はありません。カーボローディングでタンパク質量を減らしている状態では、同時に脂質量も少なくなっています。

食物繊維を控える

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食物繊維を控えるのは、前日からで十分です。その前までは、便通を整える為に食物繊維は必要です。大会前日に食物繊維の多い食事をすると、整っていた排便のリズムが崩れたり、走っている時に腸内でガスが溜まって、苦しくなったりする事があります。

食物繊維の多い食品は、野菜、海藻、大豆製品です。野菜の中でも食物繊維の少ない野菜は、大根、人参、玉ねぎ、トマトなどです。大会前日はそういった野菜を摂るようにしましょう。

まとめ。
 大会・前日の注意点
・開催地の名物料理を避ける
・脂質を控える
・食物繊維を控える

いつもと同じものを食べる

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カーボローディング、ウォーターローディングも、食べ慣れた物で始めるのが一番です。カーボローディングは欧米で始まった方法なので、「カーボローディングならパスタ!」と言われがちですが、パスタは脂肪も多いので、日本人ならご飯ですね。

好きならお餅でもいいですし、うどんでも、お団子でも糖質です。ウォーターローディングも、硬水が苦手なら無理して行う必要はありません。水道水をこまめに飲めばかまいません。

大事なのは「大会前でも、習慣はできるだけ変えない」ことにあります。大会が近付くと、それだけで緊張が高まってきて、ストレスを感じます。

その上に、周りからの「この食べ物がいい!」とか「これを食べろ!」の無用なお節介があったりしますね。そのストレスは、胃腸の消化吸収機能を低下させるのです。

大会で最大限の力を出すためには、大会当日までできるだけいつもの調子をキープすることが一番です。

目標達成を目指すのであれば、前夜祭を楽しみすぎるのは危険です。お祭りの雰囲気や、食べ慣れない物で、気分は最高潮になっても、コンディションは最良にはならないでしょう。各地の名物は、その場で食べるのではなく、お土産にしましょう。

★まとめ★

マラソン大会3日前からの食事
・炭水化物を1.5倍食べる
・タンパク質は普段の半分にする
・ビタミンB1を摂る
・ミネラルを補給する
・水分を1日1.5リットルは飲んで脱水予防

マラソン大会前日の食事【注意事項】
・名物料理は食べない
・油ものを食べない
・食物繊維を食べない

いかがでしたか?マラソンで完走する為には練習ばかりでなく食事で体調を整えて自分の力を100%発揮させる事がとても重要です。
大会3日前からは鍛える為ではなく、調整のための食事が必要だと覚えておきましょう。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

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