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四十肩(肩関節周囲炎)の原因と治し方・ストレッチ教えます。

 2018/10/28 健康
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四十肩

よく耳にする四十肩と呼ばれる腕が挙がらなくなり、肩の痛みを感じる病態。

今回は

・医師の増田陽子先生
・医学療法士の桜井佑葵先生
の2名が四十肩の治し方・予防について解説していきます。

四十肩(肩関節周囲炎)とは?

四十肩は、年齢が40歳~50歳に人に多くみられる事からそう呼ばれるようになったといわれています。

医学的には肩関節周囲炎という名前が正式名称です。

その名前の通り、肩の周りが炎症を起こすものです。

腱板損傷や石灰沈着性腱板炎など原因かはっきりとしている肩の疾患ではないものを総称して肩関節周囲炎と呼んでいます。

四十肩と五十肩って違うの?

四十肩と同じような症状で五十肩という言葉もよく耳にするかと思います。

実はどちらも同じ肩関節周囲炎なんです。

40代、50代の人に多く見られるためそう呼び名がつけられていますが、四十肩、五十肩の違いは特にありません。

四十肩(肩関節周囲炎)になりやすい人

40~50代以降の人に多く、男女差はあまりありません。

仕事やスポーツで肩を酷使する人や、猫背姿勢になりやすい人に起こりやすいといわれています。

また生活習慣が不規則、睡眠不足、栄養が偏った食事、ストレスなども四十肩を引き起こすといわれています。

四十肩(肩関節周囲炎)の原因

四十肩(肩関節周囲炎)になる原因ははっきりとわかっていませんが以下の事があるのではないかといわれています。

  • 加齢に伴う筋肉や靭帯などの変性
  • 肩の周囲にある神経が圧迫される
  • 外傷
  • 自律神経障害
  • 血行障害
  • ホルモンバランスの変化
増田先生
それに加えて、長年だまして酷使してきた炎症が40代~50代になり、20代や30代時に比べて衰えてくるので、症状が顕著になることも多いです。

四十肩(肩関節周囲炎)の症状

四十肩(肩関節周囲炎)の主な症状は

肩の痛みによって腕を上に挙げたり、後ろに回したり、ひねる事が困難になります。

また夜間痛と呼ばれる、夜寝ている時に痛みも生じます。

症状が悪化すると可動域制限が強く出現し、着替えや洗髪、洗濯物を干すなどの日常生活動作にも大きな支障をきたします。

増田先生
そのために、日常生活を送ることが困難になり、初めて来院される方も多いのが四十肩の特徴です。

肩関節の構造について

肩とは一般に上腕骨と肩甲骨で構成される関節をいいます。

正確には肩甲上腕関節と呼ばれます。

図のように上腕骨の丸い部分と肩甲骨の凹みの部分がハマるようにして関節を構成しています。

他の関節と比べると接触面が少なくハマりが浅い構造となっています。

関節唇

この構造だけでは非常に不安定なため、関節唇と呼ばれる軟骨組織でできたものや多くの靭帯や筋肉で補強される作りとなっています。

肩の動き

肩の動き、屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋、水平屈曲、水平伸展という方向に分類されます。

肩を支えるのに重要な筋肉

肩は、骨のハマりが浅いため不安定な関節となっています。

これらを支えるのに回旋筋腱板、またはローテーターカフという筋肉が存在します。

いわゆる肩のインナーマッスルです。

これらを構成するのは

  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 小円筋
  • 肩甲下筋

の4つの筋肉で、肩を支えるのに重要な役割を果たしています。

腱板を構成する筋肉

棘上筋

●肩甲骨の肩甲棘という部分の上部から腕の骨についている筋肉です。

●主に肩を横に挙げる外転という動きに作用します。

棘下筋

●肩甲骨の肩甲棘という部分の下部から腕の骨についている筋肉です。

●主に肩を外にひねる外旋という動きに作用します。

小円筋

●肩甲骨の下方にある下角という部分の上から腕の骨についている筋肉です。

●主に肩を外に捻る外旋という動きに作用します。

肩甲下筋

●肩甲下筋の前から腕の骨についている筋肉です。

●主に肩を内側に捻る内旋という動きに作用します。


これらの筋肉は

  • 肩の深部に存在している。
  • 主な作用は関節を安定させること。
  • 大きな力を発揮する筋肉ではない。

といった特徴があります。

運動を起こす力を発揮するというより、肩の動きを安定させて、円滑に肩が動くように微調整するような働きがメインです。

四十肩(肩関節周囲炎)の時期による分類

四十肩(肩関節周囲炎)は症状や痛みの時期によって大きく3つに分類されます。

個人差はありますが、だいたいこのような経過をたどるケースが多いです。

急性期

期間:約2~9ヶ月

発症して間もない頃で炎症が強く生じている時期です。

特出される症状は痛みで、肩を動かすと鋭い痛みが生じます。

また動かさなくても生じる安静痛

さらに夜寝ている時に生じる夜間痛も見られることが多いです。

治療方針

炎症を抑える事が最優先となります。

局所に注射をしたり、服薬にて痛みを抑えます。

またこの時期に無理に動かしたり、マッサージなどで強い刺激を与えると炎症が悪化して痛みが強まる事があるので注意が必要です。

必要に応じて三角筋などで腕を固定する場合もあります。 

また寝る際は肩の下に枕やバスタオルを敷いたり、脇に挟んだりする事で痛みを和らげる事ができます。

増田先生
あまりにも腫れたり痛みが強い場合には、市販薬などでなく、直接病院へ行って診察を受けましょう。的確な診察と治療を受けた方が治りが早くなります。

拘縮期

期間:約4~12ヶ月

炎症症状が落ち着き、強い痛みは軽減されます。安静時痛、夜間痛もみられなくなりますが、拘縮が生じ始め肩の可動域制限がみられます。

特に制限が強く見られるのは外転と内旋、外旋の動きです。

日常生活では背中に手を回したり、シートベルトの着用やシャツを着る動作などで支障をきたす事が多いです。

治療方針

ホットパックや超音波などの温熱療法を行い筋肉の緊張を抑制したり、血流を促進させます。

その後にストレッチなどを行い可動域を広げるようなリハビリを行なっていきます。

回復期

期間:約6~9ヶ月 

痛みの強さは弱まっていき、肩の動きも徐々に改善していきます。

個人差もありますが正常な可動範囲に戻るには1年以上を要す場合もあります。

治療方針

拘縮期と同じように温熱療法を用いながら、ストレッチなどで積極的な可動域訓練を行っていきます。

可動域拡大のためのリハビリ

初期の頃

痛みがまだ残っている初期の頃は、腕を振りながら動かす運動を行います。

ゴッドマン体操

図のように机などに痛くない方の手をついて前かがみになります。

痛い方の手を下に下ろし、ペットボトルやアイロンなどを握り、力を抜いて振り子のように腕を振ります。 

重りを持つ事で関節への圧力を軽減させながら無理のない範囲で可動域を広げる運動になります。

増田先生
痛みが激しく残っている場合や、腫れがひどい場合には、まずは腫れと痛みが治まってからリハビリを行いましょう。

また痛みが強くなってくる場合には、一旦中止し徐々に行ないましょう。

中期から後期

棒体操

図のように棒を使って肩を動かすのも有効です。

肩甲骨の体操も重要

①肩が挙がらない人向けの体操

腕を90°挙げた状態で肘を曲げて後ろに引きます。

このときに胸を張って肩甲骨を後方に引く事を意識します。

②肩がある程度まで挙がる人向けの体操

肩がある程度まで挙がる人

頭の後ろで手を組み、胸を張って肘を開き、肩甲骨を内側へ寄せます。

重度の場合は手術をする事も!

人によっては可動域制限が強く、リハビリや温熱療法を行なっても改善が得られない事もあります。

長い期間経過しても関節の拘縮が強い場合、手術やパンピング療法という治療を行う事もあります。

手術は鏡視下授動術

肩に小さな穴を数カ所開けてそこから内視鏡と手術機械を挿入して行う手術です。

関節拘縮の原因となっている筋肉や靭帯、関節包の癒着(組織同士がくっついている状態)を切離します。

傷も小さいためリスクも少なく行える手術というメリットがあります。

パンピング療法

パンピング療法とは肩に局所麻酔をした後に生理食塩水を関節内に注入・吸引を繰り返す事で少しずつ関節包(関節を包んでいる膜)を広げる方法です。

最後にステロイドを注入して炎症を抑えます。

そうする事で肩の組織の癒着(組織同士がくっついてしまっている状態)を解放していく事で痛みと可動域制限を改善していきます。

まとめ

●四十肩とは正確には肩関節周囲炎という病名で、40代から50代に多くみられる肩の痛みや可動域制限をきたす疾患である

●個人差はあるが可動域制限が完治するまでには1年以上を要する事もある。

増田陽子(医師)●文
桜井佑葵(理学療法士)●文

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ライター紹介 ライター一覧

増田陽子

増田陽子

救急医


●資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

●経歴
2009年 St. Mathew University School of Medicine卒業
20010年 米国医師免許取得
20011年 カリブ海医師免許・日本医師免許取得
2012年 Larkin Hospitalで研修医
2015年 救急医として勤務しながら、カリブ海の島にて老人医療を行なう
現在・育児にも奮闘中

ビーチと海が大好きでカリブ海にポジションを見つけて住むようになりました。
カリブ海では、日本の高度先進医療のような設備が殆ど無く、レントゲンとCTだけで患者さんを診断します。
その分医師たちのスキルアップが求められ、日々勉強中です。
救急医療に従事していますと、少しの怪我でもその対処法によっては予後が悪くなったり、逆に適切な治療を施したため後遺症や傷口も目立たず、元気に暮らしていらっしゃる方たちも多く見てきました。
このサイトでは少しでも多くの方たちに簡単で適切な処置方法などを伝えていけたらいいなと思っています。


●桜井佑葵(理学療法士)

理学療法士として10年目、これまで総合病院、整形外科クリニック、訪問リハビリなどで多くの疾患のリハビリを経験。現在、病院で働きながらジュニア期のサッカーチームの怪我予防の指導やトレーナー業務も兼務中。

自身の理学療法士としての経験、スポーツ経験を生かして読者に有益な情報を与えられるように執筆させていただきます。

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