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鎖骨骨折の全治までの期間は?症状・治療・リハビリの全知識

 2017/11/14 ケガと予防法
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ボディコンタクトで衝突した際や、転倒して手や肘をついた際の衝撃によって鎖骨骨折が起こる場合があります。比較的スポーツにも多くみられるこの鎖骨骨折について解説していきます。

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鎖骨骨折とは

鎖骨骨折はラグビーやアメフト、サッカーなどのボディコンタクトが多いスポーツで多く見られます。

直接、ぶつかって力が鎖骨に加わり骨折する場合と、 転倒などで手をついたりした衝撃による場合との2パターンで骨折します。

鎖骨骨折は全骨折の10〜15%を占めるといわれ、比較的若い人に多くみられる骨折です。

中でも鎖骨の骨幹部(鎖骨を3分割した真ん中らへん)の部分の骨折が最も多くみられ、次いで外側1/3(鎖骨を3分割した外側部分)となります。

鎖骨は血流供給が豊富な骨であるため比較的予後は良好です。

しかし、骨のズレが強かったり、血管や神経が損傷を起こしていると手術が必要となる事もあります。

鎖骨の役割

鎖骨は見た目でも骨が浮き上がっているので場所はわかりやすいかと思います。
鎖骨とはどのような働きがあり、体にとってどのような役割を果たしているのかお伝えします。

鎖骨の位置

鎖骨は胸の真ん中にある胸骨という骨と、肩甲骨の肩峰という部分で関節を形成しています。

胸骨との関節を胸鎖関節、肩甲骨の肩峰との関節を肩鎖関節と呼びます。

鎖骨の役割

●腕と体をつなぐ

鎖骨は肩甲骨と胸骨介して腕を体につなぎ止める働きをしています。 肩甲骨は肋骨の上に浮いているように存在しているため体との骨の連結がありません。鎖骨が胸骨と肩甲骨とで関節を形成することで腕と体を連結しています。

●血管と神経を守る

鎖骨の後方には大事な血管や神経が通っているためそれらを守る役割も担っています。

●肩の動きの支点となる

とても重要な役割です!

肩を上げたりする動作は、腕の骨だけで動いているわけではありません。
腕の動きに伴って肩甲骨が動く事で大きな可動性を得ています。
鎖骨が胸鎖関節にて肩甲骨の動きの支点となる事で自由に腕を動かす事が可能となっているのです。

鎖骨は肩を上に上がる(挙上)の時、30〜40度程度の挙上と45度程度の回旋の動きがおきます。

その鎖骨の動きによって肩甲骨が上腕骨と連動して動くことで肩の運動を行っています。上腕骨と肩甲骨が一定のリズムで動くことを肩甲上腕リズムと呼び肩の運動では重要な要素となっています。

肩甲上腕リズム

肩が上がる動きには、上腕骨(腕の骨)の動きに伴って肩甲骨も一緒に動きます。

肩が横に上げる動き(外転)が30°あたりから、2°外転するごとに肩甲骨が1°上方回旋して動き、常に2:1の割合で動いていきます。

これを肩甲上腕リズムといい、肩の動きには欠かすことのできないものとなっています。

肩が横に上げる動きが90°までに鎖骨は胸鎖関節を支点に30°上がります。

肩が横に上げる動きが90°を超えると胸鎖関節を支点に今度は45°後方に回旋する動きをします。

この鎖骨の挙上と回旋の動きが生じることで、肩甲骨が動き、肩の運動を作り出しているのです。

鎖骨の靭帯・鳥口鎖骨靭帯の働き

鎖骨には重要な靭帯がついています。

肩甲骨の烏口突起と呼ばれる部分と鎖骨をつなぐ菱形靭帯と円錐靭帯という2つの靭帯を合わせて、烏口鎖骨靭帯と呼びます。

靭帯の役割

この靭帯は大きく3つの重要な働きをしています。

烏口鎖骨靭帯の役割

●肩甲骨を吊り下げる

鎖骨はこの烏口鎖骨靭帯を介して肩甲骨を吊り下げています。
この靭帯が切れてしまうと肩甲骨を吊り下げられておく事が出来ずに肩甲骨の動きは阻害されてしまいます。

●肩甲骨が下内側に滑るのを防いでいる

●鎖骨と肩甲骨との運動のクッション

腕を上げたり、後ろに引くときは鎖骨と肩甲骨の距離が近づいたり、離れたりしますが烏口鎖骨靭帯が緊張して衝撃のクッションの役目をしたり、力を伝える役割をしていてスムーズな腕の動きを担っています。

※鎖骨の動きは人間の腕を使う動作においてなくてはならないものなのです。

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鎖骨骨折の症状

症状は次の通りです。

●肩の痛み

●腫れ

●熱感

●発赤などの炎症症状

●腕を上げると強い痛みが走ります。

●くしゃみや咳などの振動でも肋骨の動きに連動して鎖骨に痛みが走ります。

寝る姿勢で痛みが出る事が多く、仰向け、横向き共に痛みを伴います。寝返りや起き上がりは強い痛みを伴うためかなり支障をきたします。

鎖骨骨折の診断

整形外科などでレントゲンを撮ることで骨折の有無を確認します。ほとんどはレントゲンで骨折がわかりますが、CTやMRIなどではより詳細に診断をする場合もあります。

神経や血管損傷疑いがある場合はMRIが有用です。

鎖骨骨折治療

鎖骨骨折の治療法は保存療法と手術療法に分けられます。

保存療法

鎖骨骨折は比較的予後が良好であるため、多くは保存療法が選択されます。
骨の転移が大きくなければ整復をして固定する方法が一般的に用いられます。

クラビクルバンドで固定

鎖骨の部分はギプス固定やクラビクルバンドと呼ばれるもので固定します。
胸を張る姿勢に保つ事で鎖骨の長さを保ち骨を癒合させます。

また三角筋などで腕を吊って、腕の重さが負担にならないようにします。

腕を90度以上上げると鎖骨が回旋する動きを伴うため骨が癒合するまでは骨折部に負担をかけないようにします。

手術療法

骨折後の転移が大きい場合や早期にスポーツ復帰を希望する場合は手術をすることがあります。

また鎖骨には靭帯が付いていますが、この靭帯が断裂した場合も手術の適応となります。

また鎖骨の後方にある神経や血管に損傷がある場合や、鎖骨が皮膚を突き破り突出してしまう開放骨折の場合などは、緊急手術となる事があります。

写真はプレート固定

主にプレート固定(薄い金属のプレートを鎖骨の形に合わせて装着してネジなどで止める手術)やピンニング固定(鎖骨をピンのような形状のワイヤーで結びあわせて固定する手術)が行われます。

手術入院は一般的に3日~1週間程度で退院できます。

鎖骨骨折の全治までの期間

鎖骨骨折の治療期間

●ケガ〜4週間

・クラビクルバンドやギプス固定、三角巾などを使って患部を固定します。

・この時期は腕を無理に動かすと鎖骨に負担がかかり、骨癒合が遅くなったり、転移を起こしたりするため90度以上腕を上げることは厳禁となります。

・主に肩周囲の筋肉が硬くなったり弱くならないように、鎖骨にストレスをかけないように可動域訓練を行っていきます。

●4週目以降~

・骨の癒合状態によって、クラビクルバンドの継続や腕を上げても良い角度が変わってきます。医師の診断の指示のもと、可動域訓練や筋力訓練の負荷を上げていきます。

鎖骨の骨折した時の寝方

クッションや枕などを使用したり、布団を重なるなどして上半身が少し起きたようなリクライニングシートに寝ているような姿勢が比較的痛みが楽になります。

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鎖骨骨折のリハビリ

固定していた影響で肩の周りの筋肉の柔軟性がなくなったり、筋力が弱くなったり、関節の動きが悪くなるため、理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリが必要となります。

※鎖骨は4週間で骨癒合すると言われますが、実際には個人差があり、もっと長くかかるケースも多く見かけます。骨癒合が不十分な状態で腕の動かす範囲を広げすぎると、鎖骨へストレスがかかります。

すると骨折部分がズレてしまったり、骨癒合しないまま偽関節といわれる、関節のように骨がグラグラ不安定になってしまう事があるので要注意です。

医師の診断の元、理学療法士や作業療法士の監視のもと正しいリハビリを行う事が大切です。

コッドマン体操

鎖骨骨折後は肩の周りの筋肉が硬くなったり、筋力が低下する事が多く見受けられます。

それを予防するためによく行われるのがコッドマン体操という振り子運動です。

出典:http://www.sinwa-clinic.com/seikei/shoulder

重りを持ち、体を前後に揺らして振り子のように腕を動かす事で肩の可動域を維持します。

骨折部に無理な負担がかからず、可動域を維持できる運動となりますが、実施時期は医者や理学療法士の許可を得てからとなります。

また鎖骨骨折後は人によってその問題となる部位が異なってくるため、理学療法士や作業療法士に適切な評価をしてもらって、その人に合わせたリハビリを受ける事が大切です。

鎖骨骨折はスポーツ復帰までは個人差や競技によっても異なりますが、大体6~12週程度と言われています。

まとめ

●鎖骨骨折は骨折全体の15%を占める。
●ギプス固定やクラビクルバンドで固定する治療法が多い。
●本格的なスポーツへの復帰までは6~12週くらいかかる。

楢崎佑葵(理学療法士)●文

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