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外反母趾が痛い!原因・治療・手術・靴・テーピング・インソール全知識

 2018/02/20 ケガと予防法
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女性の足の悩みはたくさんありますよね。特にハイヒールを履いている方に起きるのが『外反母趾』です。

足の形が変わるだけではなく、痛みもあります。日常生活にも支障が出ます。

今回は

・医師の豊田早苗先生
・理学療法士の桜井佑葵先生

の2名が『外反母趾』の治し方・リハビリの方法について詳しく解説していきます。

この記事を書いた人


豊田早苗(医師)とよだクリニック医長
鳥取大学卒業・総合診療医学会・認知症予防学会に所属。
とよだクリニック医長。総合診療医として診療科を問わず患者さんの病気・症状に向きあい治療を行なっている。




桜井佑葵(理学療法士)
整形外科勤務。10年間、毎日ケガに苦しむ患者さんと向き合いリハビリを行っている。

外反母趾とは

  • 足の親指が小指側に「く」の字に曲がります。
  • 親指の付け根が突出している変形が起きます。
  • 親指の付け根の突出した部分が、靴に圧迫されたり、親指が人差し指に当たり痛みを生じます。
  • 外反母趾は男女比1:10で、そのほとんどが女性にみられます。
女性が多い理由

●女性は、関節が柔らかく、親指が小指側に移動しやすい足の骨格構造をしている。

●女性は男性に比べ筋力が弱いため、加齢とともに偏平足になりやすい。

●ハイヒールやパンプスなどを履く機会が多く、足の指の付け根に負担がかかりやすい。

などがあげられます。

外反母趾の病態

足の骨の名前から説明していきます。

  • 足の指の付け根の骨を基節骨・中足骨といいます。
  • 親指にある中足骨を第一中足骨といいます。
  • この親指の基節骨と第一中足骨とで構成される関節を第一中足趾節関節(MTP関節)といいます。

外反母趾は中足骨が内側に向いてしまう状態(内反)さらに内側に回旋している状態(回内)で、基節骨が外側に向いてしまう状態(外反)です。

外反母趾の重症度

出典:https://p-dress.jp/articles/4169

この中足骨と母趾とでなす角度が正常では10〜15度ですが

  • 15~20度となると軽度の外反母趾だと言えます。
  • 20-40度が中度
  • 40度以上が重度

と角度によって重症度が分類されます。

ひどくなる前に治療をしましょう。

外反母趾の原因となる筋肉

親指についている筋肉の機能の低下が外反母趾になる原因です。

特に問題となるのが母趾外転筋と母趾内転筋です。

外反母趾は次のような状態でなる事が多いです。

  • 母趾外転筋の力が弱まってしまう
  • 母趾内転筋が硬くなってしまう

母趾外転筋

母趾外転筋とは

●踵骨、舟状骨から親指の付け根についている筋肉です。

●主に親指を外側に傾ける外転という動きの役割があります。

母趾内転筋

母趾内転筋とは

斜頭、横頭と呼ばれる二つの筋肉から成り立っています。

●主に母趾を内側に傾ける内転という動きの役割があります。

斜頭

立方骨、外側楔状骨から親指の付け根につきます。

横頭

第3〜5中足骨から親指の付け根につきます。

外側種子骨

第一中足骨には種子骨と呼ばれる小さな骨が存在します。

種子骨

内側にあるのを内側種子骨、外側にあるのを外側種子骨といいます。

母趾外転筋は内側種子骨、母趾内転筋は外側種子骨に付着します。

外反母趾になりやすい人の特徴

外反母趾を引き起こす主な原因と特徴をあげていきます。

靴による影響

踵の高い靴や先端の細い靴は外反母趾を引き起こしやすいです。

踵が高いと足の指の付け根にあるMTP関節に荷重がかかります。

MTP関節

その中でも足の親指(母趾)のMTP関節は他の4趾と比べても大きいためより負担がかかります。

しかし、MTP関節は体重を支えるほどの大きな関節ではないため、なんども負荷がかかると変形を起こしてしまうのです。

特にハイヒールを履く人は

  • かかと部分が高いので小さいMTP関節への負担が大きく外反母趾になりやすくなります。
  • 先端が細くなっているので外反母趾を強めてしまいます。

ハイヒールだけじゃない!幅広靴でも外反母趾になる?

ハイヒールなど幅の狭い靴を履いていると、靴によって足が締め付けられ外反母趾を引き起こす原因になることは皆さんご承知のことだと思いますが、幅の広いゆったりした靴でも外反母趾になってしまう危険性があることをご存知でしょうか?

幅広靴は、ゆったりしているので、足を締め付けることはありません。

が、横方向からの圧力がないために、足の横アーチ(5本の指の付け根にある山型のアーチ)をつぶす原因になります。

足の横アーチがつぶれてしまうと、ペタッとした足となります。(開帳足)

開帳足は、放置することで、偏平足をも引き起こしますし、体重が無理な方向にかかり、外反母趾を引き起こしやすくなります。

靴を購入する際は、足の長さだけでなく、足の横サイズ(Eとか2Eなど)も測定して、自分の足に合った靴を選ぶようにしましょう。

足の横サイズ(ワイズ)の測り方

立った状態で、親指の付け根と小指の付け根をグルッと一周メジャーで測ります。
(最大ワイズ)

次に、座った状態(足に体重がかからない状態)で、同じように測ります。
(最小ワイズ)

最大と最小を足しで2で割り、平均値を出します。

購入予定の靴のワイズ表の自分の足の長さサイズの欄を見て、自分の横サイズは、D幅かE幅か確認します。

出典:https://kore-karada.jp/201707131611/

回内足・扁平足

後ろから見て踵が内側に倒れている形状の足を回内足といいます。(逆に外側に倒れているのを回外足といいます。)

回内足

回内足では土踏まずの部分にあたる内側縦アーチと呼ばれる部分が潰れてしまい、扁平足となります。

その状態で体重がかかると、親指を外反方向に傾けるようなストレスがかかり外反母趾になりやすいです。

外反母趾で痛みが生じる原因

外反母趾になると痛みを生じますがその原因は主に3つあります。

靴による圧迫

外反母趾で骨が突出している部分にはバニオンと呼ばれる腱膜瘤(腱や筋肉を包んでいる膜にできるしこりのようなもの)が発生します。

バニオン

先端の細い靴を履くと、親指(母趾)のMTP関節の突出した部分と靴との間で圧迫がおきて痛みが生じます。

神経の圧迫

重度になってくると、靴を履いていない時でも痛みが生じてきます。

母趾の中足骨の下には神経が通っており、外反母趾の変形により体重がかかると神経を圧迫してしまい痛みが生じます。

胼胝(べんち)による痛み

胼胝(べんち)とは、俗にいう足にできるタコの事です。外反母趾になると第2、第3中足骨により体重がかかるようになります。

その繰り返しかかる体重の負担により、胼胝ができてしまい、その部分が痛む事があります。

外反母趾の治療法

外反母趾の治療法は保存療法と手術療法に分けられます。

保存療法

外科的な処置は行わずに治療していきます。

主にインソールや装具、テーピングなどで外反母趾の変形を抑えるようにしていきます。

また外反母趾の原因となっている筋肉の機能の改善や可動域の改善などのリハビリを行います。

インソール

外反母趾は、扁平足や回内足が問題となる事が多いです。

土踏まずの部分の内側縦アーチを高くする・横アーチを広げるようなインソールが有効です。

値段が高いですが、オーダーメイドで自分の足の形状に合ったものを作成するのが最もよいです。

比較的安値でも外反母趾用のインソールは市販されているので試しに使用してみるのも良いでしょう。

外反母趾装具・サポーター

外反母趾を矯正する装具やサポーターも有効です。

テーピング

外反母趾の矯正と内側アーチの補助のテーピング方法をお伝えします。

用意するもの:伸縮性のキネシオロジーテープを使用します。

※足首を90°に曲げたまま貼るのがポイントです。

テープの一端に2~3cmの切れ込みを入れます。

切れ込みの裂け目を親指の外側に当てて前後に巻きつけます。

②のテープを踵まで貼ります。

踵の外側を通して足の裏まで巻きます。

土踏まずを通り、足の甲まで貼ります。

⑤のテープを2.3周巻きます

完成です

手術療法

変形が強い場合は形状を元に戻すことは不可能なので手術をする事もあります。

いくつか手術の方法はありますが、主に中足骨を切り、角度を矯正して固定する手術が主に行われています。

最近ではあまり多くを切開せずに済むような手術も行われています。

手術の後に装具をつける事で、母趾に負担がかからないようにし数日で歩けるというメリットがあります。

通常のように装具無しで歩くには6週間~2ヶ月後です。

外反母趾改善のためのリハビリ

骨自体の形を元に戻すことは困難ですが、変形の予防、負担による痛みの軽減のためのリハビリ方法を紹介します。

外反母趾では母趾内転筋の柔軟性を良くする事。母趾外転筋の筋力の強化が重要となります。

母趾内転筋マッサージ

大まかですが母趾内転筋は写真の赤丸部分に走行しています。
この部分を指やテニスボールを使ってマッサージをしてほぐします。

母趾内転筋ストレッチ

親指を外側に向かって曲げてストレッチします。

母趾外転筋の筋力トレーニング

足の指でパーをするように開く運動を繰り返します。

また外反母趾の原因となる回内足の改善も重要となります。回内足の改善には土踏まずの部分の内側縦アーチをしっかりと働かせる事が重要です。

そのためには前脛骨筋、後脛骨筋、足趾屈筋の働きが重要です。

前脛骨筋

スネの前にある筋肉です。主に足首を上に上げる働きがあります。

足の指は曲げたままつま先を上へ上げていきます。

※セラバンドを使用します

後脛骨筋

ふくらはぎの奥の方に位置する筋肉です。

主に足首を下に向けるのと内側にひねる働きがあります。


親指側にセラバンドを引っ掛けて、足の裏が床についた状態のまま、つま先を内側に向けるようにセラバンドを引っ張ります。

足趾屈筋

タオルを床に敷き、足の指で手繰り寄せていきます。一回一回の動作を大きく、土踏まずを浮かせるようなイメージで指を握りこむのがポイントです。

まとめ

●外反母趾は女性に多く、筋力が弱い事やハイヒールを履く習慣などから起こりやすい

●変形が強い場合は手術をする事もある

●予防や痛みの改善には足の筋力トレーニングや柔軟性改善が有効である

豊田早苗(医師)●文
桜井佑葵(理学療法士)●文

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ライター紹介 ライター一覧

豊田早苗

豊田早苗

医師

●経歴
2000年 鳥取大学医学部卒業
2001年 医師免許取得
2001年~2004年 島根県で内科医、総合診療医として勤務
2004年 勤務しながら、認知症も含めた精神科医療を学ぶ
2005年 とよだクリニック開業(精神科・心療内科・神経内科・内科)

●参加学会

総合診療医学会
認知症予防学会

●著書→コチラ 

私は、普段、診療科を問わず、様々な病気や症状に悩んでおられれ方の相談対応にあたっています。
運動は、生活習慣病の予防やストレス発散に、とても効果的で、患者さんに日常生活に運動を取り入れるよう勧めることが多々あります。ですが、急に運動を始めるとケガしやすいため、ケガの予防、さらには、ケガした際の応急処置や対応についても指導するようにしています。
ここには数多くのケガに関する記事が掲載されています。
これらの記事が皆さんがケガについての正しい知識や対処法について学ぶ機会となり、運動を楽しく続ける参考になれば良いなあと思っています。


●桜井佑葵(理学療法士)

理学療法士として10年目、これまで総合病院、整形外科クリニック、訪問リハビリなどで多くの疾患のリハビリを経験。現在、病院で働きながらジュニア期のサッカーチームの怪我予防の指導やトレーナー業務も兼務中。

自身の理学療法士としての経験、スポーツ経験を生かして読者に有益な情報を与えられるように執筆させていただきます。

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