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少年野球のピッチャー必見!リトルリーガーズショルダーの治し方・ストレッチ・筋トレ教えます。

 2017/07/01 ケガと予防法
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ジュニア期の野球をしている子に多い肩の痛み。大きくわけて野球肩とも言われますが、15歳くらいまでの骨が成長過程の子どもの野球肩はリトルリーガーズショルダーと呼ばれ、成人の野球肩とは異なります。

今回は
・医師の増田陽子先生
・理学療法士の桜井佑葵先生
の2名が、リトルリーガーズショルダーについて解説していきます。

リトルリーガーズショルダーとは

野球でボールを投げる時やバレーボールのスパイク、バドミントンのスマッシュなどの肩へのストレスが繰り返し起こる事で起こる肩のスポーツ障害です。

腕に遠心力がかかる事で上腕骨という腕の骨の軟骨にストレスがかかり、炎症を起こしたり、軟骨が剥がれるなどの症状を起こします。

正しい病名は「上腕骨近位骨端線離開」といいます。

子どもの骨の特徴を知ろう

子どもの骨は成長しています。成長が終わった大人とは構造が違います。

子どもの骨には骨端線と呼ばれる軟骨があります。

骨端線は骨と骨の「つなぎ目」にある事が分かるかと思います。この「つなぎ目」から身長の伸びていくことになります。

増田先生
身長が伸び切ると骨端線も消滅し、身長の伸びも止まります。

人によって完璧に止まる歳は違いますが、だいたい20歳~25歳と言われています(例外はもちろんありますよ!)

大人が身長が伸びないのは骨端線がないから。という事になりますね。

骨端線は骨端軟骨板や成長軟骨とも呼ばれます。

骨端線

レントゲンを見ると子供の骨には末端に線が入っていますが、この線が骨端線なのです。大人にはありません。

骨端線は軟骨で出来ているため普通の骨よりも柔らかいのが特徴です。

そのためスポーツなどで強い力が繰り返しかかると、やわらかい骨端線はとても弱いため損傷をしやすくなります。

増田先生
また骨端線の周りは骨端線と同様に周囲の骨に比べると柔らかいので、骨折したり骨が欠けやすいので気を付けましょう。

骨端線は身長が伸びることに大きく関係していますので、損傷を受けると成長障害を起こす事があります。

正確な診断と治療が大切になります。

子どもは身長がこれから伸びていく時期ですので、我慢してスポーツを続けて骨端線の障害を残さないようにする事がとても大切です。

リトルリーガーズショルダーの症状

それは具体的にリトルリーガーズショルダーの症状をみていきましょう。

大きく分けて3つの症状があります。

増田先生
お子さんは先輩などの経験から、「痛みが出ると周りに迷惑が掛かり、野球を続けられなくなるかもしれない」とあまり痛みを訴えてきません。

しかし、ピッチング時やお茶碗など物を受け取る際に痛みや動作がおかしいようでしたら、直ぐに病院へ連れていってあげましょう。

リトルリーガーショルダーになる前に早めの対策を取れば早めに野球に復帰できます。

①投球動作時の痛み

症状はピッチング時の肩の痛みです。悪化するとスポーツ後でも痛みがあるようになり日常生活にも支障をきたします。

②上腕骨をひねる動きをした時の痛み

内旋

図のように肘を曲げた状態で前にひねる動きを内旋といいます。

外旋

図のように肘を曲げた状態で後ろに捻る動きを外旋といいます。

この内旋と外旋の動きで痛みが出ます。

③肩の圧痛

出典:http://www.kyujin.eek.jp/250410.html

上腕骨の骨端線の沿った部分を押すと痛みがあります。

リトルリーガーズショルダーの分類

リトルリーガーズショルダーは3つに分類されます。

Ⅰ型

骨端線の外側のみが開いてしまう状態です。

Ⅱ型

拡大している

※秋元接骨院HPより転用

骨端線が全体に渡って開いてしまう状態です。

Ⅲ型

すべっている

※秋元接骨院HPより転用

骨端線の滑りを起こし、さらにずれてしまう状態になります。

リトルリーガーズショルダーの診断

診断はレントゲンが基本ですが、初期のリトルリーガーズショルダーの場合は写りにくく診断が難しい場合もあるのでMRIで調べてもらうようにしましょう。

リトルリーガーズショルダーの治療

リトルリーガーズショルダーと診断された場合は、スポーツによるストレスを避ける事が重要であるため、医者の許可が出るまでは安静が必要となります。

基本的にⅠ型、Ⅱ型は固定しない事が多く、Ⅲ型で痛みが強い場合は三角巾で腕を吊っておく場合もあります。

骨端線が修復するまでの期間は3ヶ月から6ヶ月です。その間はピッチングを禁止する必要があります。

骨端線の修復が出来てから、軽いキャッチボールを初めて出来るようになります。その後のリハビリを含めると復帰まで半年程度、重度だと1年近くかかると考えておきましょう。

このようにリトルリーガーズショルダーの状態となってしまうと長期の離脱を余儀なくされる事となります。リトルリーガーズショルダーになる前にしっかりとした予防が大切となります。

あわせて読みたい

リトルリーガーズショルダーの予防

少年野球の監督、コーチ必見です!

①投球数は練習では70球・試合では7イニング以内に!

日本中学野球協議会では、中学生投手の投球障害を予防するために、ガイドラインを制定しました。

1.試合での登板は以下のとおり制限する。

1日7イニングないとし、連続する2日間で10イニング以内とする。

2.練習の中での全力投球は以下のとおり制限する。

1日70球以内、週350球以内とする。また週に1日以上、全力による投球練習をしない日を設けること。

中学生選手の障害予防のための指導者の義務

1.複数の投手と捕手を育成すること。

2.選手の投球時の肩や肘の痛み(自覚症状)と動き(フォーム)に注意を払うこと。

3.選手の故障歴を把握し、肘や肩に痛み(自覚症状)かある選手には適切な治療を受けさせること。また、ウォームアップとクールダウンに対する選手自身の意識を高めること。

負担をかけない環境作りが大切となります。

②少年野球の投げ方は肩に負担をかけないように!

まずピッチングを4つに分けてみます。

ピッチングを4つに分けてみる

①ワインドアップ

投手が投球動作に入りボールを持った手がクラブに収まっている状態です。

②アーリーコッキング期
ボールを持つ手がクラブから離れて、腕が後方に引かれ、前足が着地するまでです。

③レイトコッキング期
前足が着地した後ボールを持って振りかぶった手が最大に後方に引かれ加速が強まる時までです。

④アクセラレーション期
腕が最大に後方に引かれた位置からボールがリリースされるまでの時期で強い力と捻る外力が加わります。

⑤フォロースルー期
ボールが離れてから振り下ろすまでを言います。

リトルリーガーズショルダーはどの時点でケガをする?

この瞬間にリトルリーガーズショルダーに!!

アーリーコッキング期からアクセラレーション期にかけての『ひねるストレス』がリトルリーガーズショルダーの原因となります。

少年野球の正しい投げ方

ピッチングで重要なのは肘が下がらないという事です。

肘が下がってしまう事で、肩や肘にはより強い捻りのストレスがかかってしまいます。また球速もなくなってしまいます。肘が下がってしまう原因として肩甲骨周りの筋力が弱い事があげられます。

最近の子どもはゲームやスマートフォンを使うことが多いので、頭が前に出ていたり、猫背の姿勢でいる事が多くなっている傾向にあります。

猫背の姿勢だと肩甲骨が下に下がったり、外に開いた状態となり、周りの筋肉が弱まりやすくなります。すると投球動作のように腕をあげる際に肩甲骨の動きが伴わなくなってしまい、肘が下がりやすくなってしまうのです。

ピッチング時の正しい肘の高さ

肘の高さの目安として理想はゼロポジションと呼ばれる腕の高さです。

ゼロポジションとは?

ゼロポジション

肩甲骨にある肩甲棘と呼ばれると上腕骨が一直線になる高さを肩のゼロポジションと呼びます。

見事なゼロ・ポジションの田中投手

このゼロポジションは肩のインナーマッスルがバランス良く活動出来る高さとなり、肩や肘の負担が最もかかりにくい位置となります。

プロは基本に忠実だ

リトルリーガーズショルダーになりやすいかどうかの簡単なメディカルチェック

①掌を上に向けて肘が真っ直ぐ伸ばせるか

②肩の内外旋に制限がないか

まず、この姿勢になります。

内旋は70度が理想です。

70度になればOK

外旋は90度が理想です。

90度になればOK!

③肩甲骨の高さに左右差はないか。特に投球側の方が下がったり、外に開いていないか

④腕が上まで上げられるか

床までバンザイできるのが理想です。

⑤体のひねりに左右差がないか

胸の前で手を組んで左右に体をひねり、左右の差がないか確認します。

⑥投球側と反対の股関節が硬くないか

投球側と反対の足を上にして寝て、下の膝を曲げます。

上の足を骨盤より後ろに引いて下に下げます。下に下がらない場合、股関節の硬さが疑われます。

簡易的にですがこれらの項目で硬さが見られると投球動作時に肩や肘に負担がかかりやすくなります。

体をひねる動作はコッキング期からリリース期にかけて必要な動作となります。この動きが硬いとその分、腕をひねる力が必要となるために肩を痛めやすくなります。

コッキング期からリリース期にかけては反対の足は前に出している位置にあるかと思います。その時に土台となっている投球側と反対の股関節が硬いとひねる力が体全体に伝わりにくくなり、腕により負担がかかりやすくなってしまいます。

リトルリーガーズショルダーの予防ストレッチ

肩を壊さないようにするためには、ストレッチをしていきましょう。

①前腕のストレッチ

手のひらを上に向けて肘を伸ばして、手首と指を伸ばします。

肘から手のひらにかけて伸ばされているのを感じながら30秒以上ゆっくりとストレッチします。

②肩(広背筋)のストレッチ

四つ這いの姿勢で肘と小指をくっつけます。

その位置から踵とお尻を近づけるように屈んでいきます。

③僧帽筋筋力トレーニング

四つ這いで鍛える側の手を頭の後ろに組みます

そこから肘を上へ突き上げます。

④体幹回旋ストレッチ

両膝を立てた状態で仰向けに寝て、膝を左右に倒してストレッチします。

片方ずつ30秒以上伸ばします。

⑤股関節ストレッチ

写真のように足を組んで座って、股関節を内側に伸ばします。
臀部が伸びているのを感じながら30秒以上ストレッチします。

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まとめ

●リトルリーガーズショルダーは骨の成長に不可欠な骨端線の障害である

●オーバーユースや肩への過負荷が原因となりやすい

●予防には投球動作の改善、柔軟性の改善、肩甲骨筋力強化などで肩に負担をかけないことが大切である。

増田陽子(医師)●文
桜井佑葵(理学療法士)●文

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ライター紹介 ライター一覧

増田陽子

増田陽子

救急医


●資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

●経歴
2009年 St. Mathew University School of Medicine卒業
20010年 米国医師免許取得
20011年 カリブ海医師免許・日本医師免許取得
2012年 Larkin Hospitalで研修医
2015年 救急医として勤務しながら、カリブ海の島にて老人医療を行なう
現在・育児にも奮闘中

ビーチと海が大好きでカリブ海にポジションを見つけて住むようになりました。
カリブ海では、日本の高度先進医療のような設備が殆ど無く、レントゲンとCTだけで患者さんを診断します。
その分医師たちのスキルアップが求められ、日々勉強中です。
救急医療に従事していますと、少しの怪我でもその対処法によっては予後が悪くなったり、逆に適切な治療を施したため後遺症や傷口も目立たず、元気に暮らしていらっしゃる方たちも多く見てきました。
このサイトでは少しでも多くの方たちに簡単で適切な処置方法などを伝えていけたらいいなと思っています。


●桜井佑葵(理学療法士)

理学療法士として10年目、これまで総合病院、整形外科クリニック、訪問リハビリなどで多くの疾患のリハビリを経験。現在、病院で働きながらジュニア期のサッカーチームの怪我予防の指導やトレーナー業務も兼務中。

自身の理学療法士としての経験、スポーツ経験を生かして読者に有益な情報を与えられるように執筆させていただきます。

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