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坐骨神経痛を完治させる!ストレッチと対処法を教えます。

 2018/10/28 ケガと予防法
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坐骨神経痛

お尻から足にかけての痺れや痛みを伴う症状。

もしかすると坐骨神経痛かもしれません。

今回は

・医師の増田陽子先生
・理学療法士の桜井佑葵先生が

坐骨神経痛について解説していきます。

坐骨神経痛とは?

坐骨神経

まず坐骨神経とは腰から足にかけての走行している神経です。

図のように背骨にある腰椎、仙椎から出てくる神経が束になって出来る太い神経です。

この坐骨神経がさまざまな原因によって圧迫や刺激を受ける事で、痛みや痺れなどの症状を引き起こします。

これが坐骨神経痛と呼ばれているものです。

※坐骨神経痛とは症状の名称で、病名ではありません。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛はお尻や太もも、ふくらはぎにかけて痛みや痺れ、冷感、締め付け感といった症状がみられます。

またひどくなると筋力低下により足に力が入りにくくなったり、尿漏れ、頻尿、便秘などの排尿排便障害になる事もあります。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛は腰から足にかけて走行している坐骨神経が圧迫されたり、刺激を受ける事で起こります。

その原因となる代表的なものをいくつか挙げていきます。

まず坐骨神経痛を引き起こすものとして多いのは腰から出ている神経の部分で、刺激を受けてしまい症状が出る腰椎性のものです。

代表的な疾患として腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症があります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

背骨の骨(椎骨)の間には椎間板と呼ばれるクッションのような働きをしている部位があります。

これは背骨にかかるストレスや衝撃を和らげるような役割を果たしています。

この椎間板の中には髄核と呼ばれる水分を豊富に含んだ組織が存在します。

背骨に繰り返しストレスがかかることで椎間板が潰され、中にある髄核が飛び出してしまい後方にある神経を圧迫して刺激してしまうのが椎間板ヘルニアです。

主な症状としては、腰痛、片側の臀部から脚にかけての痛みや痺れ、筋力低下などが挙げられます。

主に20~40代の男性に多く、前に屈む動作で症状が増強する事が多いです。

増田先生
その他にも子供さんがまだ小さい女性や、スポーツをやっている学生などにも多い症状です。

椎間板ヘルニアの原因・症状・治療・手術・ストレッチの全知識も参考にして下さい。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

背骨全体をまとめて脊柱と呼びます。

その脊柱の後方には神経の通り道である脊柱管と呼ばれるトンネルのような管が存在しています。

この脊柱管が何らかの原因で狭くなってしまい、中を通っている神経を圧迫してしまうのが脊柱管狭窄症です。

主な症状として

  • 臀部から脚にかけての痺れや痛み
  • 長く歩くと脚の痛みが増し、休むとまた歩く事が出来る
  • 頻尿、残尿感、失禁などの排尿排便障害
  • 脚の脱力感
  • 脚の痺れや異常感覚

などがあります。

主に中高年の男性に多いです。

また身体を後ろに反らす後屈動作で症状が増強する事が多いです。

脊柱管狭窄症とは?症状・原因・治療・手術・リハビリ全知識も参考にして下さい。

腰椎分離すべり症

腰椎分離すべり症

背骨の1つ1つの骨を椎骨といいます。

椎骨は椎体と呼ばれる骨の本体部分と椎弓と呼ばれる関節を構成する後方部分とに分けられます。

この椎体と椎弓が疲労骨折など、なんらかの原因で離れてしまう状態を分離症といいます。

分離した状態で放置されていると、分離した腰椎は安定性を失い、前側に滑るようにずれてしまいます。

このような病態を腰椎分離すべり症といいます。

この程度が悪くなると、脊柱の後方に通っている神経に圧迫などの刺激が加わり脚に痺れや痛み、筋力低下などの症状を引き起こします。

主にスポーツ活動の多い10代の男性に多く、身体を後ろに反らす後屈動作で症状が増強する事が多いです。

スポーツ選手に多い腰痛!腰椎分離症の治療法と予防ストレッチ・筋トレの全知識も参考にして下さい。

梨状筋症候群

梨状筋症候群

また腰以外の部位で比較的多くみられるのに、梨状筋症候群というものがあります。

梨状筋とはお尻にある股関節を支えている筋肉です。

この梨状筋の下を坐骨神経が通っているのですが、何らかの原因で坐骨神経を圧迫してしまう病態を梨状筋症候群といいます。

梨状筋症候群の主な症状は臀部から太もも後面の痛みや痺れです。

長時間座っていたり、立ちっぱなしで症状が増強する事が多いです。

増田先生
女性は男性よりもお尻の筋肉量が少ないため、デスクワークの多い女性がなりやすい症状です。

梨状筋症候群の原因・テスト・治療・ストレッチ全知識も参考にしてください。

坐骨神経痛の治療法

先程あげたように、坐骨神経痛を引き起こす疾患は複数存在します。

その疾患に対する個別の治療法が坐骨神経痛の症状を和らげる治療となります。

一般に行われている坐骨神経痛の症状に対する治療法を挙げていきます。

保存療法

服薬

まず処方される事が多いのは痛み止めの薬(非ステロイド抗炎症薬)です。

炎症を抑える作用、鎮痛作用、解熱作用があります。

また他には神経の興奮や痛みを伝える物質の放出を抑える薬や、筋肉を柔らかくする薬、血流を良くする薬なども処方される事もあります。

これらの薬は整形外科などの病院で処方してもらう事ができます。

注射

坐骨神経痛でよく用いられるのは神経ブロック注射です。

坐骨神経や周囲に局所麻酔薬を注射して痛みを軽減させます。

麻酔薬が神経に作用して痛みを伝える神経経路をブロックする事で痛みを取り除きます。

ブロック注射にもいくつか種類が存在します。一般に坐骨神経痛でよく使用される主なブロック注射は以下のものです。

トリガーポイント注射

トリガーポイントとは「過敏化した侵害受容器」と定義されます。

簡単にいうと筋肉が凝り固まって出来た部分で圧すると強い痛みが生じます。

このトリガーポイント自体にも痛みを生じますが、このトリガーポイントによって離れた部位にも痛みや痺れを生じさせる原因ともなりえます。

このような痛みを関連痛といいます。

このトリガーポイントに局所麻酔薬を注射して局所の痛みや関連痛を軽減させるものがトリガーポイント注射です。

硬膜外ブロック注射

背骨の後ろを通っている神経を脊髄といい、その脊髄を覆っている膜を硬膜といいます。

この硬膜の外側の空間は硬膜外腔と呼ばれ、脊髄から枝分かれした馬尾神経や神経根と呼ばれる神経の枝が存在しています。

硬膜外腔に麻酔薬を注射する事で脊髄神経から脳へ伝わる痛みの伝達を遮断させます。

そうする事により痛みを取り除くのが硬膜外ブロック注射です。

理学療法(リハビリテーション

坐骨神経痛の原因となっている部分に対して理学療法(リハビリテーション)を行うことで症状を緩和させます。

理学療法は物理療法と運動療法の2つに分けられます。

物理療法

物理療法とはわかりやすくいうと整形外科などでよくみられるホットパックなどの温熱療法、低周波などの電気刺激療法です。

温熱療法は血流を促進し、痛み物質の除去を促したり、固まった筋肉を和らげる効果が期待できます。

電気刺激療法は痛みを伝える神経の伝達を抑えて痛みを緩和させる効果が期待できます。

運動療法

運動療法は主に腰や臀部の筋肉の柔軟性を高めたり、体幹の筋肉を鍛えたりして坐骨神経へのストレスを軽減させる効果が期待できます。

また腰に負担をかけない動作指導なども行います。

人によって身体症状は異なるため、その人に合った個別のメニューが必要です。

一般によく行われる臀部の柔軟性改善方法を紹介します。



椅子に座り写真のように足を組んで体を前に倒します。

その時背中が丸くならないように注します。臀部が伸びている事を感じながら30秒以上ストレッチをします。

仰向けに寝て写真のように足を交差させて体を捻ります。臀部が伸びている事を感じながら30秒以上ストレッチします。

ストレッチ

座った状態で写真のように足を交差します。手で膝を抑えながら体を捻り、臀部が伸びている事を感じながら30秒以上ストレッチします。

テニスボールを臀部の下に置き、体重をかける事でマッサージします。

※それぞれ、痺れや痛みが増強する場合は無理に行いすぎないようにしましょう。
※医師の診断や専門家の指導の元行いましょう。

座るときの姿勢を気をつける

座るときの姿勢

普段の座っている姿勢によっては坐骨神経痛を悪化させてしまう事もあります。

特に椅子に浅く座るいわゆる仙骨座りでは臀部の筋が硬くなりやすく坐骨神経痛を悪化させる要因となります。

正しい座り方

骨盤を起こして背中が反りすぎない程度に真っ直ぐなる姿勢が理想的です。

また良い姿勢だけを長時間とっていても筋肉は疲労をしてしまいますので、こまめに姿勢を変えたり、立ち上がって歩いたりする事が良いでしょう。

まとめ

●坐骨神経痛は病名ではなく症状の事であり、腰の疾患や臀部の筋肉の硬さなどから起こる事が多い。

●予防のためには臀部の筋肉の柔軟性を高める事、姿勢を改善する事が重要である。

増田陽子(医師)●文
桜井佑葵(理学療法士)●文

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ライター紹介 ライター一覧

増田陽子

増田陽子

救急医


●資格
日本医師資格
カリブ海医師資格
米国医師資格

●経歴
2009年 St. Mathew University School of Medicine卒業
20010年 米国医師免許取得
20011年 カリブ海医師免許・日本医師免許取得
2012年 Larkin Hospitalで研修医
2015年 救急医として勤務しながら、カリブ海の島にて老人医療を行なう
現在・育児にも奮闘中

ビーチと海が大好きでカリブ海にポジションを見つけて住むようになりました。
カリブ海では、日本の高度先進医療のような設備が殆ど無く、レントゲンとCTだけで患者さんを診断します。
その分医師たちのスキルアップが求められ、日々勉強中です。
救急医療に従事していますと、少しの怪我でもその対処法によっては予後が悪くなったり、逆に適切な治療を施したため後遺症や傷口も目立たず、元気に暮らしていらっしゃる方たちも多く見てきました。
このサイトでは少しでも多くの方たちに簡単で適切な処置方法などを伝えていけたらいいなと思っています。


●桜井佑葵(理学療法士)

理学療法士として10年目、これまで総合病院、整形外科クリニック、訪問リハビリなどで多くの疾患のリハビリを経験。現在、病院で働きながらジュニア期のサッカーチームの怪我予防の指導やトレーナー業務も兼務中。

自身の理学療法士としての経験、スポーツ経験を生かして読者に有益な情報を与えられるように執筆させていただきます。

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