リオデジャネイロ五輪に日本人レフェリー 大槻卓・川崎桜子が選出 

 

2015年ラグビーワールドカップで南アフリカに勝利し
一躍脚光を浴びた「ラグビー」のコラムを開始します。
執筆するのは日本ラグビー協会審判委員長・岸川剛之氏。
黎明期からラグビーに深く関わってきた岸川氏の現場の生の声をお届けします。

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日本ラグビー協会審判委員長・岸川剛之氏によるラグビーレポート『Together』スタート!

 
昨年のワールドカップで一躍脚光を浴びるようになった日本ラグビー。
2019年に自国で行われるワールドカップ、翌年の東京五輪へさらなる飛躍が期待されるが、その道は決して楽なものではなく、むしろいばらの道だ。
その現実を直視しながら、ラグビー界の発展に力を注ぐ関係者のひとりが岸川氏。
ビッグゲームでのレフェリング、またここ数年は解説者としてもおなじみだが、現在、環境改善や仕組み、体制づくりなどレフェリーの強化を図るべく、さまざまな取り組みをしている。
プレーヤーとともに、レフェリーも世界へ。
キーワードは「Together」だ。

世界へ立ち向かうためには、日本人レフェリーを海外のビッグゲームにどれだけ送れるか。それが、近々の大きな課題という。
ワールドカップで笛を吹けるレフェリーは、南半球のスーパーラグビーなどの主要試合で実績を積まなければいけない。その機会をいかにしてつくり、強化につなげていくか。
ただし、世界ランクトップ10のティア1の試合は、ティア1の国の協会所属のレフェリーでないと吹くことができないため、ティア2の日本のレフェリーが笛を吹くなど現段階では夢物語だ。
しかし、日本は次回ワールドカップ開催国。ティア1の試合に日本人レフェリーがかかわれるよう努力し、それが同時にプレーヤーの強化にもつながると、岸川氏は考えている。

リオデジャネイロ五輪に大槻卓・川崎桜子の2名が選出

 本年8月に迫ったリオデジャネイロ・オリンピックでは、ラグビー7人制が初採用される。そのレフェリーに、男子・大槻卓氏、女子・川崎桜子氏の2人がワールドラグビーから選出されたことを、まずは紹介しよう。
選出された内訳は次のようになる。男子は南アフリカ4名、ニュージーランド2名、オーストラリア2名、スコットランド1名、フランス1名、アルゼンチン1名、日本1名の計12名。
女子はイングランド、ニュージーランド、オーストラリア、スコットランド、南アフリカ、イタリア、フィジー、カナダ、スペイン、香港、日本から各1名の11名だ。
23名のマッチオフィシャルで、男子8月9~11日、女子8月6~8日の大会を担当することになっている。
日本代表は男女ともに昨年11月、アジア予選を勝ち抜き出場が決まっている。多くのレフェリーがセブンズ強豪国から選ばれているなかで選出されたことを、大変うれしく思う。プレーヤーにとっても、追い風になるに違いない。

レフェリーアカデミーから誕生した両人がオリンピックという大舞台へ

日本協会が2005年に立ち上げた「レフェリーアカデミー」。その1期生が、大槻レフェリーである。
このアカデミーは、20歳代の将来有望な人材を発掘し、2年間で集中的に指導。技術や知識の習得、人間性の育成を目指し、トップレフェリー、さらには世界に通用する候補者を育成するという目的で設立された。
スタートして丸10年の時が過ぎ、1期生が見事世界への大きな挑戦権を得たわけだ。
その中で、大槻レフェリーは2013年ワールドセブンズシリーズからスコッドメンバーとなり、活躍が認められて選出された。彼らしいレフリングスタイルをぜひ見てほしい。
現在、香港セブンズからシンガポールセブンズに転戦している。

「女子レフェリーアカデミー」は2013年に発足した。
川崎レフェリーは同年にレフェリーを始め、アカデミーの2期生。わずか3年で選ばれた。女子初の選手として学生NO.1の帝京大学ラグビー部に在籍していたこと、トレーニング環境が整っていたこと、2014年から海外でのレフェリーを担当できるチャンスがあったことなどが功を奏した。
帝京大時代、ケガを機にレフェリーに転身したあとは、苦労しながらも数多くの練習試合の笛を吹いて力をつけたという。
発表の日が、新社会人としてスタートの日であったことも何か運命的なものを感じる。
大会まで4カ月。
万全の準備をして臨み、東京五輪につなぐ先駆者となれるよう期待している。

●大槻卓(おおつきたく)  1978年7月生まれ、所属・株式会社豊田自動織機
●川崎桜子(かわさきさくらこ) 1993年11月生まれ、株式会社山小電気製作所

岸川剛之●文

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