正しい姿勢で若々しく!悪い姿勢の治し方・ストレッチ方法教えます。
何もしていないのに腰が痛くなる、肩がこる、膝が痛いといった症状をよく聞きます。
もしかするとそれは普段の姿勢が原因かもしれません。
今回は正しい姿勢について解説していきます。
Contents
姿勢が悪い人がとても多い
現代ではスマートフォンやパソコンの普及により頭が前に出ている人が多くなっています。
ヘッドフォワードや首の弯曲がないストレートネックと呼ばれる姿勢をしている人がとても多いです。
またデスクワークや運転を長い時間する人は、骨盤が後ろに倒れ、腰の弯曲が乏しくなったり、猫背になる人も多くみられます。
これらの不良姿勢は筋肉の柔軟性や緊張のバランスが崩れ、慢性的な痛みの原因となったり、怪我の原因となりえるのです。
また足を組んで座る癖があったり、どちらか片方にばかり体重をかけた立つ癖なども不良姿勢の原因となります。
姿勢が悪いと危険がいっぱい
姿勢が悪いのは、日常のちょっとしたクセや動きやすい方向の動作、同じ姿勢を長時間取ることで起こります。
姿勢が悪いと、筋や筋膜のバランスの不均衡が生じ、怪我の原因となったり、痛みや凝り症状の原因となります。
例えば猫背の姿勢では前にある大胸筋は短く縮まってしまいますが、逆に後ろにある背筋群は引き伸ばされて伸びた状態になります。
これが長時間続くことで筋肉の長さにアンバランスが生じます。引き伸ばされた筋肉は発揮できる筋力が弱くなります。
姿勢とは
姿勢とは重力に対してバランスを取っているときの身体の姿であるとされています。(wikipediaより)
少し専門的にいうと、バランスを取っているときの体位と構えのことを言います。
体位と構えはあまり聞きなれないと思うので簡単に説明します。
体位とは
- 立位
- 座位
- 臥位
にわけられます。
立位は立った姿勢です。中腰やつま先立ちなども立位に含まれます。
座位は足を伸ばして座る長座位、正座、あぐら、横坐り、椅子座位などが含まれます。
臥位は背臥位(あおむけ)、腹臥位(うつぶせ)、側臥位(よこむき)などが含まれます。
構えとは
構えとは頭や体幹の位置、手足の相対的な位置関係を指します。
身体が前かがみの場合は、体幹前傾位、骨盤が前に傾いている場合は骨盤前傾位というように表します。
理想的な姿勢
立位姿勢
画像:基礎運動学より抜粋
前から見たときに
外後頭隆起、椎骨棘突起、臀裂、両膝の間の中心、両内果(内くるぶし)の中心が一直線
横から見たときに
耳孔、肩峰(肩甲骨の骨)、大転子(太ももにある骨の突出部)、膝関節前部、外果(外くるぶし)の前方が一直線になっている姿勢が理想的な姿勢です。
この姿勢がとれると立位姿勢をとるための筋活動やエネルギーが最小になるという特徴があります。
逆にいうとこの線からずれた分だけ、重力の影響により身体への負荷がかかるのです。
背骨はS字状のカーブを描くのが理想
背骨をまとめて脊柱といい、ひとつひとつを脊椎といいます。正常な脊柱は緩やかなS字のカーブを描きます。
首にある脊椎を頸椎、その下の胸部にある脊椎を胸椎、腰にある脊椎を腰椎といいます。
頸椎は7個あり、前弯(前へのカーブ)、胸椎は12個あり後弯(後ろへのカーブ)、腰椎は5個で前弯(前へのカーブ)しています。
この脊柱のS字のカーブは体をバランスよく支えるのに非常に重要です。
約5kg程ある頭を支え、歩いたり走ったりなどの運動による衝撃から体を守るクッションのような役割を果たしているのです。
もしカーブがなくて真っ直ぐだったら、ストレスは一点に集中してしまいますが、緩やかなカーブがある事で衝撃を分散させているのです。
普段の取っている姿勢の影響や筋肉のアンバランスによって、この脊柱のカーブは強まったり、乏しくなる事が悪い姿勢となるのです。
よくみられる悪い姿勢
反り腰(後弯前弯型)
比較的女性に多くみられる姿勢パターンです。
S字カーブの腰の反りが通常より大きいタイプです。
骨盤の前傾(骨盤が前に倒れる状態)が強く、腰が反ってお尻が突き出たような姿勢となります。
腰が過度に反っているので、腰の筋肉が緊張し硬くなりやすく、身体後ろに反ったり、回旋させたりする動作で腰痛を起こしやすくなります。
この姿勢の人の特徴としては
- 股関節の前が硬い
- 背筋が硬い
- 背筋が過剰に働いている
- お腹の筋肉が弱い
- お尻の筋肉が弱い
といった事があげられます。
こんな人は反り腰かも
壁に寄りかかり背中、お尻の、踵の3点をくっけるようにして立ちます。
その時に
- お尻が先に壁につく
- 腰と壁の隙間に手が簡単に入る
この場合は反り腰(後弯前弯型)である可能性があります。
反り腰の姿勢を修正する方法
反り腰の姿勢修正としてポイントは以下の通りです
- 腹筋群の強化
- 大殿筋の強化
- 股関節前面のストレッチ
- 腰部伸筋のストレッチ
腹筋群の強化
①腹式呼吸(ドローイン)
鼻から大きく息を吸い込みお腹を膨らませます。
口からゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませていきます。
横隔膜をしっかりと収縮させて腹圧を高めるのに効果的です。
背筋を伸ばして行う事、息を吐くのをゆっくりと行うことがポイントです。
②プランク
腹筋群の強化するエクササイズです。
肘を付き、前腕部とつま先で体を浮かせて、一直線に保ちます。
10~30秒程度姿勢を保持します。
つま先で支えるのが困難な場合は膝を付いて行っても結構です。
大殿筋の強化トレーニング
うつ伏せで膝を曲げて、太ももを床から離すようにして上に持ち上げ、大殿筋を収縮させます。5~10秒程度保持するのを繰り返します。
この時に腰が反らないようにお腹を凹ませ力を入れたまま行います。
※腰が反ってしまう場合は、お腹に丸めたタオルを入れると良いです。
股関節前面ストレッチ
伸ばす方の脚を後方に引き、前の足は立ち膝となります。
骨盤を前に突き出すようにして、股関節の前面を伸ばし、30秒以上ゆっくりとストレッチします。
背部ストレッチ
写真のように背中を丸めるようにして屈んでいきます。
背部が伸ばされている事を感じ、30秒以上ストレッチをします。
スウェイバック(後弯平坦型)
この姿勢は上半身が後方に倒れ、骨盤が後傾(後ろに倒れている状態)しているのが特徴です。
腰のカーブも乏しくなり頭が前方に位置する事も多いです。
この姿勢は姿勢保持の際に筋肉の活動が低い弛緩姿勢といわれます。筋肉ではなく、靭帯や関節に頼って姿勢を保つのが特徴です。
この姿勢の特徴は
- ハムストリングス(太もも裏の筋肉)が硬い
- 腸腰筋(股関節前面の筋肉)が弱い
です。
こんな人はスウェイバック(後弯平坦型)かも
壁に寄りかかり背中、お尻の、踵の3点をくっつけるようにして立ちます。
その時に腰と壁の隙間に手が簡単に入らない。途中で手が引っかかってしまうとスウェイバック(後弯平坦型)の可能性が高いです。
フラットバック(平背型)
この姿勢の特徴は背骨のカーブが全体的に乏しいのが特徴です。
後弯平坦型と同様、頭部は前方に位置し胸椎、腰椎のカーブが乏しいのが特徴です。
脊柱のカーブが乏しいため、衝撃吸収作用が低下して腰部への負担が大きくなります。
こんな人はフラットバック(平背型)かも
壁と腰の隙間に手が入りにくい、途中で手が引っかかってしまう事が挙げられます。
フラットバック・スウェイバックを治せ!姿勢の修正エクササイズ
この2つの姿勢に共通する骨盤後傾を修正するポイントは以下の2つです。
- ハムストリングスのストレッチ
- 腸腰筋の強化
ハムストリングスストレッチ
片方の足を伸ばします。おへそを突き出すようなイメージで骨盤を前傾させ、体を前に倒します。
ハムストリングスが伸びている事を感じながら30秒以上ストレッチします。
骨盤をしっかりと前傾させることがポイントです。
腸腰筋強化トレーニング
骨盤を前傾させた状態で、太ももを上に持ち上げます。持ち上げた際に骨盤が後ろに倒れないようにして行います。
慣れてきたら手で太ももに抵抗をかけて負荷を挙げていくと良いです。
まとめ
悪い姿勢の例と修正するエクササイズをお伝えしてきました。
しかしエクササイズを少し行ったからといっても姿勢をすぐに改善できるわけではありません。
根気強く継続する事と、もっとも重要なのは生活の環境を整える事です。
たとえば、ソファーで浅く座る事や、猫背で作業する時間が長ければ、再び筋肉のアンバランスを引き起こしてしまいます。
座る椅子や作業する台の高さを変えたりして不良姿勢をとらないような環境設定にする事で事も有効なアプローチとなるのです。
桜井佑葵(理学療法士)●文
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