1. TOP
  2. 栄養・食事
  3. 初心者だってフルマラソンを完走できる!練習時の7つの食事法

初心者だってフルマラソンを完走できる!練習時の7つの食事法

 2016/11/16 栄養・食事
 

東京マラソンが始まってからというもの日本は空前のマラソンブーム。今やビジネスマンから主婦まで実にたくさんの人がランニングを楽しんでます。目標は人それぞれですが、やっぱり42.195キロのフルマラソンにはチャレンジしてみたいもの。完走を達成する為に日々の練習・トレーニングは欠かせません。

ですが重要な「食事」を疎かにしてませんか?今回は市民ランナーがフルマラソンを走れるようにするために必要な栄養と食事の獲り方について特集をします。

マラソンを完走したい。でも体は1日じゃ作れない

大会前だけ頑張る人や、練習後のビールが楽しみな人も、スポーツを楽しむという意味では間違いではありません。

しかし、「初マラソン完走!」「次こそサブフォー!」などの達成したい目標がある場合は、練習だけでは目標達成までが遠くなります。練習と両輪を成すものこそ「食事」なのです。

一流アスリートが食事の大切さを身に染みてわかるのは、「怪我」だといいます。怪我しやすい選手は、食事がおろそかになっていることが多いのです。

練習にお休み日はありますが、食事にお休み日はありません。1日1日の食事がトレーニングだと思って、食事で体を作っていきましょう。

食事は3-3-3

食事の基本は「3-3-3」と覚えます。

【第一の3】1日3回(朝昼晩)の食事を獲る 

朝食を食べない人の割合は、男性で14%、女性で10%もいます。

厚生労働省調べ

厚生労働省調べ

ダイエットをしている人など、食べない方がいい場合もありますが、目標達成の体づくりをする場合には、食べる習慣が必要です。

朝食を食べていない人が、食べるようにするには、生活習慣を変える事が大事です。今までの生活で、朝食を食べようとしても、時間がなかったり、食欲がなかったりしますね。

時間がない場合は早く起きる、食欲がない場合には夕飯を軽くするなどの改善をして、食べる習慣をつけましょう。

【第二の3】 主食・主菜・副菜の3種を揃える

gohan

菓子パンにコーヒーでは、食事とは言えません。食事は、主食(ごはん・パン・めん)、主菜(肉・魚・卵・豆腐)、副菜(野菜)がそろってはじめて「食事」になります。

コンビニで買っても、お手製の弁当でも、外食でも変わりはありません。コンビニでお弁当もいですが、パン(主食)、フランクフルト(主菜)、野菜スープ(野菜)などで揃えると判りやすいですね。

外食でも、家族と一緒の食卓でも、注文前や食べる前に「主食、主菜、副菜よーし!」と確認してから食べるといいですね。

うどんとおにぎり等のように主食が2つあったり、唐揚げとお刺身のように主菜が2つあるのもバランスが悪いです。週に1回くらいはそんな日があっても構いませんが、平日はいつもバランスが悪く、週末だけ頑張るような食事では、よい体は作られません。

【第三の3】乳製品、果物、水分の3種を追加する

fruit_comp

基本の食事に、この3つを足します。朝食に追加しても、おやつとして食べても構いません。乳製品と果物はそれぞれ1日1回追加し、水はこまめ飲むようにします。

牛乳を水代わりに飲んだり、果物を食べ過ぎたりすると、余計な糖分や脂肪分を摂ることになります。

コーヒーなどの嗜好飲料や、アルコール類、菓子類はオプションです。摂っても摂らなくても構いませんが、摂り過ぎはいけません。

マラソンに必要な食事は3-3-3

●3回の食事

●主食・主菜・副菜の3つを食べる

●乳製品・果物・水分の3つを獲る

アスリートの食事と市民ランナーの食事は違う

goal2

アスリートは、マラソンに生活の全てをかけています。体も早く走る為の体を作るので、風邪などの感染症にとても弱いのです。

市民ランナーは違います。目標のタイムやマラソン完走など、一人一人目標は違っても、「健康であること」は大前提です。仕事や日々の生活に支障がでていはいけません。

なので、「アスリートはこのような食事を摂っている!」「○○選手がおすすめする食品」を鵜のみにして取り入れることは、とても危険です。

アスリートは体を作るために、泣きながら食べることもあります。勝ちたいという強い想いで、食べたい物を何年も我慢していることもあります。そんなアスリートと、同じ食品を食べただけで近づけるわけがありませんよね。効果が無いばかりか、健康を損ねるおそれがあるのです。

注意!!
アスリートと市民ランナーは体のつくりが違います。
食べるものも違ってきます。
情報を鵜呑みにしてアスリートと同じ食事・栄養を獲ってはいけません!
非常に危険です。

補うエネルギーと食べ物

摂るべきエネルギー量は人の年齢、性別、身長、体重、筋力、などによって一人一人変わってきます。簡単な摂取エネルギー量は「体重×30kcal」と覚えておきましょう。

【例】体重60kgの人が摂るべき基本の1日の摂取量・・・1800kcal

1日1800kcal摂れば良いとは言っても、練習をすればもっとエネルギーを消費しますね。

運動時の消費カロリーの計算方法

消費カロリー(kcal)=METS×運動時間(時間)×体重(kg)×1.05

METS(メッツ)とは、運動によって決まっている数字です。
ランニングは「8METS」となっています。

体重60kgの人が2時間走り続けるランニング練習をした場合の消費カロリー

8METS×2時間×体重60kg×1.05=1008キロカロリー

上記の場合、約1000kcalを消費することになります。

この日常の練習で消費する分を加味して、普段の食事の全体をアップさせます。1週間に1回この練習をするならば、1000kcal÷7日で、1日約150kcalプラスして1950kcal、切りよく2000kcalが1日の摂取目標と考えます。

もし、「週末、2時間のランニングで鍛えているんだ!だから食べた方が良いんだ!」と、大盛りのご飯を毎食食べていたら、ちょっと考えを改めなければいけません。

1日150kcalのプラスは、おにぎり1個分程度です。大盛りも1日1食であれば構いませんが、毎食だとカロリーオーバーで、鍛えている筈なのに何だかおかしいな?という状態になっているかもしれません。

練習する日だけ多く食べようとしても、1000kcalも一気に増やされては、胃腸が受け入れられず、胃もたれや腹痛に悩まされるかもしれません。日々の食事は3-3-3のバランス良く、コンスタントに摂ることが基本です。

注意!!
トレーニングした日にドカ食いはしない。
週1回2時間のランニングなら、毎日おにぎり1個程度の食事を増やしてもOK!

食事は振り返りがポイント

diet-cake

目標達成まで、「練習と食事は両輪を成す」と最初に述べましたが、食事は練習より難しいと言えるかもしれません。

1日3回、考えながら食べたり、食べたい物を我慢したり、時には無理に食べたり、付き合いを断ったり、考えながら食べ、体を作ることはとても難しいですよね。

食事をコントロールする方法は、思い出す事です。夜寝る前に3-3-3(『1日3回』『主食・副菜の3種』『乳製品、果物、水分の3種』)が出来たかどうかを思い出して下さい。3+3+3=9ですね。

9点満点で、その日は何点取れたでしょうか?1点でも多く取れたら、目標達成に一歩近づきます。

1日ごとに反省するのも大事ですが、社会人には付き合いのお酒や、忙しくて食べられない時だってありますね。そんな時は、1週間で考えます。1週間で9点×7日=63点ですね。この点数が42点以上取れたならば、上出来です。

この時、「お酒の飲みすぎ」「お菓子やジュースの摂りすぎ」の時はそれぞれ-1点して下さい。スマホや手帳に点数をメモして振り返ったり、「今日は5点だった…明日は朝食を食べてせめて6点にしよう…」と考えたり、少しずつ走れる体づくりをしていきましょう。

栄養補助食品は使った方が良いの?

筋肉を作るプロテイン(タンパク質)、疲労回復を促すビタミン入りのドリンク、手軽な栄養補助食品まで、様々な強化食品が販売されています。

これらを使うかどうかは、3-3-3の基本がどこまで出来ているかを判断してからになります。

supplement

「お肉大好き!毎日がっつり食べているよ!」という人が、プロテインを摂っても意味がありません。それどころか、摂りすぎて腎臓に負担がかかったり、カロリーオーバーになります。

朝食でどうしてもタンパク質が取れない場合、プロテインを飲むのは良い方法です。野菜がどうしても摂れない時、ビタミン入りのドリンクを飲むのも良い方法です。

自分は何が足りていないのかをしっかり把握してから、栄養補助食品を使いましょう。食べる事がストレスになる位なら、少し栄養補助食品の力を借りて、体も心も楽になりましょう。

走っていて膝が痛くなったらこちらを読んでみてください。
関連:ランニングで膝の痛み!『ランナー膝』の治し方・ストレッチ・筋トレ法

まとめ

・普段の食事は3-3-3(『1日3回』『主食・主菜・副菜』『乳製品・果物・水分』)
・アスリートの食事の真似をしない。
・練習で使った消費カロリーと食べた食事を『振り返り』体重をコントロール。
・サプリメントは適時。

マラソンの目標達成のためには、練習と食事は両輪です。日々の食事は3-3-3を基本に、練習で消費するエネルギーを加味します。

日々の振り返りを行い、少しづつ改善していきましょう。栄養補助食品も時には使い、ストレス無く走れる体づくりをするのが大切です。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

『いいね!』をすると最新の記事を読むことが出来ます。

スポンサードリンク

ライター紹介 ライター一覧

スポーツの杜編集部

スポーツの杜編集部

他のスポーツ紙とはちょっと違う視線でスポーツに関連する記事を執筆しています。
「ケガ」「健康」「指導法」「歴史」「セカンドキャリア」「健康」といった100年後も変わらない普遍的なテーマを取り上げていきます。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 斉藤和巳、和田一浩らプロ野球選手とゴルフをしませんか?【参加者募集します】

  • たんぱく質の摂りすぎはデメリットが多い!1日の必要量は?

  • ロコモティブシンドロームとは!症状をチェックして運動で予防をしよう

  • 【悲報】スポーツで怪我して治療費が高い!死ぬほど後悔した話

関連記事

  • 最短でマッチョに!栄養士がこっそり教える筋肉をつける食べ物27選!

  • 【食トレ】少年野球・親ができる最大限のサポートとは?それは「食事」です

  • 50歳まで現役でプレーできる!プロ野球選手の食事メニューと量とは

  • 【プロ野球への提言】オフシーズンこそ来期の準備だ・食事編

  • マラソン30kmの壁を克服!持久力がつく食事法

  • 筋肉をつけたい人必見!ホエイプロテインとソイプロテインどちらが効果的か?徹底検証