栄養士が教えるランニングでダイエット!食べるタイミングも
ダイエットに運動は必要ないと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、ダイエット中は食事改善に加えて運動も適度に取り入れるべきです。
運動をすることでダイエットの効率が高められることはもちろん、適度な筋肉がついて健康的で美しい体を手に入れることができるのです。
運動の中でも、運動器具等が必要なく誰でも簡単に始められる「ランニング」が最もおすすめです。
ランニングのダイエット効果
ランニングをすることで、脂肪燃焼や基礎代謝向上、睡眠改善、ストレスが溜まりにくくなるなどの効果が得られます。
それぞれの効果について詳しくご説明していきます。
脂肪が燃焼される
脂肪が燃えるには筋肉のミトコンドリアに酸素が供給される必要があります。
ランニングなどの有酸素運動は、その名のとおり多くの酸素を取り込みながら行う運動であるため、脂肪燃焼に効果が高いのです。
よって、有酸素運動であるランニングは脂肪を落としたい方にもってこいの運動です。
基礎代謝向上でカロリー消費がアップ
基礎代謝とは、何もしない状態で1日に消費するカロリーのことです。
ランニングをすることで、脂肪が燃焼されるだけでなく筋肉量が多くなり、筋肉は脂肪よりも消費するカロリーが多いため、基礎代謝を向上させることができます。
基礎代謝が向上すれば、睡眠中や座っている状態などの日常生活においてもより多くのカロリーを消費することができ、効率よく痩せることができるのです。
質の良い睡眠で痩せやすい体になれる
睡眠の質を良くすることはダイエットにおいて非常に重要です。
十分な睡眠がとれていないと、ホルモンバランスが崩れてしまい、満腹感を感じづらくなったり、ストレスを強く感じるようになったりして食べ過ぎてしまう可能性が高まります。
ランニングをすることで、適度に体が疲れて質の良い睡眠をとることが可能となります。
ストレスが溜まりにくくなる
ストレスが溜まると暴飲暴食してしまったり、便秘が起こりやすくなったりと非常に太りやすくなります。
ランニングで適度に体を動かすことによって、自律神経を整える効果のある「セロトニン」というホルモンが多く分泌されます。
自律神経が整えられることで、精神安定作用が得られてストレスが溜まりにくくなるのです。
ランニングで消費するカロリー
ランニングを30分間行って消費するカロリーを女性と男性のそれぞれについて示しました。
- 軽いランニング(7.0 km/h)・・・189kcal
- 一般的なランニング(8.0 km/h)・・・ 261kcal
- 高負荷のランニング(10.8 km/h)・・・ 330kcal
- 軽いランニング(7.0 km/h)・・・157kcal
- 一般的なランニング(8.0 km/h)・・・ 217kcal
- 高負荷のランニング(10.8 km/h)・・・ 275kcal
効果的なランニングの走り方
ランニングのやり方として、一回に行う時間やベストなタイミング、水分補給の仕方、より効果を高める方法をご紹介していきます。
一回に20分以上行うのがおすすめ
ランニングは、一回に20分以上継続して行うのがおすすめです。
なぜなら、走り始めて最初の20分は炭水化物を燃焼してエネルギーを得ますが、20分以降からは脂肪を燃焼してエネルギーを得るようになるからです。
また、走り始めて20分以降は血液中のエネルギーも必要となるため、血管の収縮回数が多くなり、この血管収縮回数の増加が脂肪燃焼をさらに促します。
ただし、長時間続けて運動を行うのが苦手な方は10分程度でも構いません。
短い時間のランニング何度か行うことで、こまめに体が温められて脂肪が燃焼されやすい状態をつくることができ、ダイエットに効果が得られるのです。
タイミングは「食事の前」がベスト
ランニングを行うベストタイミングは、「食事の前」です。
食事の前は体内の栄養が不足した状態となっており、その状態でランニングを行うことで脂肪燃焼が活発になります。
さらに言うなら、昼間や夕方、夜よりも朝の時間帯に行うのがおすすめです。
朝は最も脂肪が燃焼されやすい時間帯であるため、脂肪燃焼効果をより高めたい方は早起きして早朝ランニングに取り組んでみましょう。
こまめな水分補給を摂ろう
ランニングに取り組む際には、必ずこまめに水分補給をしましょう。
脂肪燃焼には水分が欠かせませんし、何より水分不足でランニングをしては脱水症状となりかねません。
水分は、普段摂取している水やお茶で全く問題ないため、水やお茶でこまめに水分を摂取しながらランニングに励んでください。
ランニング前のストレッチや筋トレが効果的
ランニング前に軽くストレッチや筋トレを行うことで、血流が良くなって代謝がアップし、脂肪を燃焼しやすい状態となります。
本格的なものでなくても、軽く前屈や腕回しをしたり、またスクワットを数回したりするだけでも良いため、準備運動も兼ねてランニングの前に軽くストレッチや筋トレを行うのがおすすめです。
ランニング後の食事の取り方
ランニング後の食事の取り方としては、ランニング後30分以内とランニング後30分〜2時間以内で異なります。
それぞれの時間帯別に、食事の取り方をご紹介していきます。
30分以内は栄養価が高く消化のよいものを食べる
ランニング後30分以内は、栄養価が高く消化の良いものを食べるようにしましょう。
具体的には、バナナやプロテインドリンク、牛乳、豆乳、果汁100%ジュースなどがおすすめです。
運動直後は胃腸の働きが弱いために消化の良いものを食べるべきであり、油や食物繊維が多いもの、また硬いものは消化に悪いため食べない方が良いです。
また、この時間帯は「ゴールデンタイム」とも呼ばれ、ランニングによって傷ついた筋肉の修復が行われる時間です。
そのため、この時間にタンパク質等の栄養をしっかりと摂取することで効率よく筋肉量を増やすことができます。
30分〜2時間以内は高タンパク質なものを食べる
ランニング後30分〜2時間以内は高タンパク質なものを食べるようにしましょう。
この時間帯は胃腸の働きが回復してきているため、卵や肉、魚、大豆製品などからのタンパク質摂取が可能です。
とくに、肉や魚などの動物性たんぱく質を摂取することで、筋肉形成に必要なアミノ酸をバランスよく摂取することができます。
ただし、肉は脂身が少ないささみや鶏むね肉、ヒレ肉などを選びましょう。
無理せず継続させることが大切
ダイエット目的でランニングに取り組む際には、無理せずに継続させることが大切です。
得られる効果を高めたいからといって、いきなり負荷の大きい速度で取り組んだり、長時間のランニングを毎日実践しようとしたりすると、継続が困難となり、逆に効果が得られなくなってしまう可能性が高いです。
そのため、自分が続けやすいと感じる速度や距離、時間を見つけ、継続させることを第一に考えた取り組み方をしましょう。
ランニングに加えて食生活の改善が必須
ダイエットをするには、ランニングに加えて食生活の改善が必須です。
いくらランニングで多くのカロリーを消費したり、痩せやすい体づくりに励んだりしたとしても、暴飲暴食してしまっては絶対に痩せられません。
以下のポイントを意識して、食生活の改善に努めることをおすすめします。
- 炭水化物を少なめにする
- 油の多い食べ物(揚げ物やジャンクフード)を控える
- 菓子類やジュース、お酒を控える
- タンパク質食品(卵・肉・魚・大豆製品)を多く食べる
- 野菜を多く食べる
まとめ
今回は、ランニングのダイエット効果や具体的な取り組み方などについて詳しくご説明してきました。
ランニングは特別な技術や道具も必要なく、思い立ったその時にすぐ始められる運動であるため、誰でも取り組みやすいです。
ただし、ダイエット効果を得るためにはランニングだけでなく、食生活の改善も欠かせません。
今回ご紹介した内容を参考に、ダイエット中の運動にはぜひとも「ランニング」を取り入れて、ダイエット効率を上げ、健康的で美しい体を手に入れてください。
小川真美(栄養士)●文