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筋トレを毎日する事は正しいか?やりすぎは弊害も

スポーツジムで筋肉トレーニングをする人は多くいます。
身体を作り上げるには一番効果的な方法です。
ただし過度にやりすぎると思わぬ弊害もあります。
今回は筋トレの秘密について焦点をあてます。

筋トレを毎日やるのは効果的?

各スポーツにおいてパフォーマンス向上のために、ウエイトトレーニングをはじめとした筋力トレーニングに取り組んでいる方も多いと思います。

しかしながら、一生懸命に取り組むあまりトレーニング量が過剰となってしまい、怪我や病気になってしまい、パフォーマンスを逆に低下させてしまう場合もあります。

ここでは、筋力トレーニングによる弊害とその予防法について説明します。

過剰な筋力トレーニングによる弊害とは

筋力トレーニングによる筋力強化の仕組みとは、トレーニングによる筋繊維の破壊から修復を経て、はじめて筋力強化の目的が達成されます。

筋力強化の仕組み
「筋力強化」=「筋繊維の破壊」+「破壊された筋繊維の修復」

筋肉は重いものを持ち上げるだけでなく、小さな運動によっても筋繊維がミクロのレベルで断裂します。

野球に例えると、ピッチャーの1投球だけでも筋繊維が数本断裂する場合もあるそうです。

トレーニングによって破壊された筋繊維は、必要な栄養補給と休息が加わることで筋繊維の修復をします。

修復の際に、元の筋繊維の強さをこえて修復される性質をもっており、この現象は「超回復」と呼ばれており、筋力トレーニングが筋力強化につながるのはこの「超回復」が作用するためです。

つまり、筋力トレーニングは単なる「筋繊維の破壊作業」でしかありませんので、しっかりと「超回復」を作用させなければ筋力強化にはつながりません。

このように、「超回復」を作用させるためには、しっかりと回復の時間が確保できるようトレーニングをオフの日をつくり、代わりに筋繊維をさほど破壊しないトレーニング、例えば、反射や心肺機能強化のトレーニング、またはフォームチェックなどのメニューを取り入れることで、筋力トレーニングによって筋繊維の破壊が続かないよう調整を行うことが必要となります。

しかし、現状では多くのスポーツ選手は激しい練習やダッシュ、ウエイトトレーニングなどで筋繊維を破壊し続けている場合が見られます。

筋繊維が十分に回復していない状態で高負荷なトレーニングを続けてしまうと、筋肉の肉離れや靭帯の損傷などの怪我の発生率が上がってしまいます。また、最悪の場合、筋肉系の怪我だけなく、内臓系をはじめとしたさまざまな障害を負ってしまうこともありますので、十分な注意が必要です。

筋肉系だけではない、その他の注意すべきリスクについて

過剰な筋力トレーニングによるリスクは、筋肉系の怪我だけではありません。

まだ若いスポーツ選手が痛風を発症したり腎障害を引き起こす事例もあります。

スポーツ選手の場合は筋肉系の怪我が多いというイメージがありますが、このような内臓系の障害も決してすくなくありません。

内臓系の障害を引き起こすメカニズム

トレーニングによって筋繊維が破壊されると、細胞核にある核酸という物質が多く流出することで、それが代謝されることで尿酸が増加します。

これは過剰なトレーニングによって過度に筋繊維が破壊されることによる、高尿酸欠症という障害の原因となります。

このことにより食事の自己管理ができているスポーツ選手の尿酸値が高くなったり、痛風、尿路結石や心筋梗塞などのリスクが高まってしまいます。

腎不全となるケースも報告されている

格闘技選手などは、筋力トレーニングによる筋繊維の破壊だけでなく、体に直接打撃を受けることにより、他のスポーツ選手よりも腎不全のリスクが高くなっています。

極真会館という、直接打撃制ルールで空手をおこなっている流派の伝統行事として「百人組手」という荒行があります。

これは、防具をつけずに素手・素足の直接打撃で百人連続で組手をおこなうという、非常に過酷なものです。

1995年に八巻建志という極真空手の世界チャンピオンが百人組手をおこなったのですが、百人と真っ向から打ち合いを挑み、およそ3時間かけて百人組手を完遂させました。

しかしながら、百人から打撃を受け続けたダメージにより、急性腎不全となり終了後は病院へ直行してしまいました。

この時、体に打撃を受けた衝撃によって筋肉が壊れてしまい、その残骸が腎臓の糸球体(網の目のようになった濾過組織)に詰まってしまうことで腎障害を起こしてしまいます。

百人組手は極端なケースですが、普通のスポーツ選手でも、短期間に急激な筋繊維の破壊を繰り返してしまうことで腎機能障害を引き起こしてしまうおそれがありますので、注意する必要があります。

トレーニング本来の目的を再確認する

スポーツ選手の多くは、常に向上心を持って練習に取り組む姿勢は良いのですが、練習に熱が入りすぎてしまうがあまり、「疲れ果てるまで自分を追い込まないと気がすまない。」「筋肉痛にならないと練習した気がしない。」など、必要以上に自分の体を痛めつけてしまう方が多いというのが現状です。

しかし、スポーツで良いパフォーマンスを発揮するためには、健康な肉体という土台が必要となります。怪我や病気などの障害を抱えた状態では、自分自身のもつ本来のパフォーマンスを発揮できるはずがありません。

過剰なトレーニングによる弊害を予防するためには

過剰なトレーニングによって怪我を繰り返してしまっている場合、まずはトレーニングの本来の意味、自分の目的に合わせて最適なトレーニングができているかを再確認する必要があります。

「超回復」を意識する。

筋力がアップするメカニズムとして、トレーニングによる筋繊維の破壊をおこなったあと、筋繊維の回復が完了することではじめて筋力アップといえます。

筋肉が回復する周期はトレーニングの負荷であったり、睡眠やストレッチなどの休息や、栄養補給の質などによっても変化します。

また、回復の周期は人によっても異なりますので、自分の体と対話するように、試行錯誤を繰り返すことが大切です。

トレーニング中の十分な水分補給

夏場などはトレーニング中に大量に汗をかくことで体内の水分量が大きく減少します。

筋肉周辺の組織から水分が抜けてしまうと筋肉の回復が遅れてしまい、筋肉が痙攣して足がつってしまうことにより、思わぬ怪我を負ってしまうことがあります。

トレーニング中は水分が欠乏してしまわないよう、スポーツドリンクなどで十分な水分補給をおこなってください。

フォームの改善によるパワー・スピードアップを知る

自分のパワーやスピードを向上させるのは筋力トレーニングだけではありません。

プレー中の自分自身のフォームを見直し、改善をおこなうことでパフォーマンスが飛躍的に向上した事例はいくつもあります。

現在では幸いなことに、テレビや動画サイトなど、一流選手のフォームや体の使い方を学べる機会や資料が豊富にあります。

自分の姿勢やフォームを鏡でチェックして一流選手との違いを比較するだけで、効果があらわれる場合もあります。

筋力トレーニングの休息日にはフォームチェックの日を間にはさむことで、体を休めつつもパフォーマンスアップのトレーニングにもなりますので、スポーツ選手としては理想のトレーニングスケジュールの一例です。

まとめ

筋力とは動き・負荷の結果でしかありませんので、自分自身の姿勢を変えるだけでも筋肉の付き方も変わりますし、パワーやスピードの向上などのパフォーマンスを向上させることもできます。

本来のトレーニングとは、「いかに動きのムダをなくし、効率の良いパフォーマンスを発揮できるか」を探すための改善を繰り返す作業となります。

スポーツ選手として、怪我や病気を予防しながら、良いパフォーマンスを発揮するためにトレーニングについての探求を深めていただきたいものです。

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