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筋トレのススメ!正しい筋トレが競技力アップに繋がる

 2016/12/10 筋肉トレーニング
 

我が国の学校レベルでの筋トレに対する正しい知識をもった指導者はとても少ない。そんな中、日本全国の高校・大学で筋肉トレーニングを教えている男がいる。名前は宮本直哉。野球部・サッカー部を中心に「試合で勝てる筋力アップ」の指導にあたる。正しい筋トレは選手のパフォーマンスを上げる源であると語る宮本氏をクローズアップしてみたい。

筋トレとは是か非か?

中学校や高校でスポーツ系の部活動をやっていた40代、50代の人なら監督やコーチからこのような言葉を言われたことはなかっただろうか。

「筋トレをやりすぎると体が重くなる」

しかし、この言葉には根拠はない。ただ、筋力トレーニングを行い、ボディービルダーのような肉体になると、体が重そうに見えるだけなのだ。

この誤った考えを払拭したいと、中学校や高校、大学の運動部で正しいトレーニングを指導しているのが、宮本直哉氏だ。

学生時代はレスリング部で活躍。山口県大会、中国地区大会で優勝し、インターハイや国体へも出場を遂げた。高校卒業後自衛官となるが、この頃からトレーニングジムへ通いはじめ、筋肉の虜になっていく。

その過程で、ボディービル、パワーリフティングの大会に出場し、全日本パワーリフティング選手権大会67・5kg級準優勝、アジアパワーリフティング選手権大会67・5kg級で5位入賞と輝かしい成績を残す。そんな折、世間で囁かれる言葉を聞き、憤りを感じたという。

「『マッチョは見せかけだけの使えない筋肉だ』ということを聞いたんです。その頃、自衛隊を辞め、トレーナーの仕事も初めた頃だったのですごく悔しかったですね。だから、自分がマッチョは見せかけだけじゃないことを証明しようと思い、総合格闘技の世界へ足を踏み入れることにしたんです」

自身が培った筋肉の魅力を多くの人に広めたい

32歳にして総合格闘家デビューを果たした宮本氏は、サブミッションアーツレスリング全日本選手権、コンバットレスリング全日本オープン選手権、東日本アマチュア修斗選手権と、さまざまな大会で優勝。見事な快進撃を見せ、「マッチョは使える筋肉である」ということを証明してみせた。

しかし、病気やケガもあり総合格闘家を長く続けることはできなかった。それでも、“死ぬまで筋トレを続ける”と誓っていた宮本氏は、筋力トレーニングの指導者として本腰を入れ、営業活動などに励んでいた。

「筋トレは唯一無二の趣味でしたが、大会に出場するようになると競技者として成功したいという気持ちが強くなったんです。自衛隊を辞めて、トレーニングのために時間が作りやすい事務職に就いたのですが、筋トレのことばかり考えて仕事に集中できず、数カ月で辞めてしまったんです(笑)。

そんなときに、所属トレーニングジムでお世話になっていたジムの会長が、学校の運動部に対して筋力トレーニングを教える会社を設立。

直ぐに「この仕事こそが私の求めていた仕事です。給料はいりません。自分で営業して仕事取ってきますので入社させてくださいっ!!」と直談判。

「大好きなトレーニングの話ができるだけで楽しかったのですが、顧客(学校)は不思議そうでした。トレーング器具の売り込みと勘違いされることが多く『うちには器具ありますから』と門前払いされるのは当たり前で。

それでも、全国各地に営業に回っていくと、会社の方針や熱意に耳を傾けてもらえるようになり、少しずつですけど仕事は増えていきました。その後、“自由に動いて、もっと筋力トレーニングの正しい知識を広めたい!”自分自身のトレーニング技術を磨きたい!”と考え、独立を決意しました」

現在は、自身の会社「ターゲット」を設立し、全国の学校で指導を行っている。

「独立してから10年以上、この仕事にかかわり約25年になりますが、これまでいい経験をさせてもらっています。すべてが私の宝物であることはいうまでもありませんが、まだまだたくさん伝えたいことがあります」

筋トレをよく思わない都市伝説がいまだに残る日本

さまざまな現場を見てきた宮本氏に、学校の部活動における筋トレの実情を聞いてみた。

「ここ数年、筋力トレーニングを練習メニューにきちんと取り入れる学校が増えています。とはいえ、割合でいえば、全体の1割か2割。その原因は、昔から言われる都市伝説が根強く残っているのが影響していると思います。」

「筋肉をつけるとスピードが落ちるとか、体重が増えて動きが鈍るとか。やりすぎるとケガにつながるとか。しかし、この考えはすべて間違い。知識を持った指導者のもとトレーニングを行えば、確実に競技力はアップします。」

「私も総合格闘技をやっていたとき、自分でも知識を憶え、トレーナーの話を聞き筋力アップを測り、格段に動きがよくなりました。それは試合ではなく、スパーリングの時点から、力が付いていることを実感したんです。」

「筋肉をつけるとスピードが落ちるなどということが、デタラメであることは、世界のトップスプリンターを見れば一目瞭然。100mのファイナリストは筋力を付けて80kg以上の体重になっていますが、9秒台で走っているわけですから」

筋肉こそが競技力アップの源である!

宮本氏は、技術力などを挙げる日頃の練習メニューに、筋トレを取り入れることで、競技力のレベルアップが効率よく行えることを指導している。

「競技能力を高めるには、正しい体の使い方、柔軟性、連動性、安定性の獲得と動力源である筋肉量を増やし筋力を獲得することが必要です。」

「体力要素の中で最もトレーナビリティ(トレーニング効果)の高い筋力を得るためにも筋トレを正しく継続 することは得策になります。パワーやスピードの源は筋肉です。つまり筋肉は体を動かすためのエンジン。」

「このエンジンを有効活用するためには、専門競技のスキル練習と、エンジンを強化するトレーニングを組み合わせることが重要。どちらか一つに偏っていては、100%のうち50%しか力を発揮することができないわけです」

総合格闘技、ボディービル、パワーリフティングなど競技に精通し、トレーニングの重要性を自らの身体で実証してきた宮本氏だからこそ、筋トレへの誤った考えを払拭したいと強く願っている。

松野友克●文

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ライター紹介 ライター一覧

松野友克

松野友克

1976年、福島県南相馬市生まれ。
小学生のときは少年野球、中学・高校ではバレーボールに熱中していた。高校時代にスポーツ雑誌の仕事に携わりたいと上京を決意。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、複数の編集プロダクションに勤務したのちフリーランスのライター・編集者として独立した。
多ジャンルの雑誌、ムック本・書籍を制作する中でプロ野球、女子7人制など多くのスポーツ取材を行う。趣味はスポーツ観戦、ゴルフ。

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