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少年サッカー選手を育てる食トレ!まずは食事と栄養

 2017/02/19 栄養・食事
 

皆さんのお子さんはサッカーやってますか?
毎日元気に練習をしていると思いますが、食事や栄養は考えていますか?
今回は管理栄養士の視点から少年サッカー選手の正しい食事法を取り上げてみます。

少年サッカーで重要な「食事・栄養」

将来、プロになれるかもしれないと夢みるサッカー少年は多いですね。JリーグはJ1~J3まで各20チーム程あり、合計60チーム程もあります。プロ野球よりも門戸が広いプロスポーツと言えるかもしれません。

プロサッカー選手を夢見る子供に、親がしてあげられるのはいくつかあります。練習や試合の送迎や、チームの雑用もありますが、やはりサッカーを続ける体を作る食事を毎日用意して、そして教えることなのです。

偏らない成長が大事

日本のプロサッカー選手は、身長が低くて足が短い選手が多いです。筋肉がたくさんあると、筋肉に邪魔されて身長が伸びないとも言われます。しかし、それは間違いです。成長期に身長が伸びる力を抑えるほどの筋肉がつくことはありません。

足が短くなるのも同時に間違いと言えます。サッカーという競技の特性上、重心が低い方がドリブルも短く、倒されにくいのもあります。それは、全体的に背の低い日本人が、背の高い海外の選手の中でポジションを取って戦っていくためです。

背が高い方が空中で競り合うのも、ヘディングも当然有利です。身長の差は練習ではどうしようもないので、日本人はその特性を生かせた人だけが海外で活躍するので、サッカー選手は低身長で足が短いと言われるのです。

少年サッカー選手は、筋力の事や、身長が伸びる伸びないに関わらず、バランスの良い食事をすることが基本です。基本ができないのに、スーパープレイができる訳がないのはサッカーと同じです。基本の食事ができないのに、世界で戦えるプロサッカー選手の体になれる訳がありません。

放課後練習の時に必要な食事の摂り方

プロを目指す位の少年サッカー選手は、毎日練習がありますね。学校が終わったら、何も食べずに練習をするのは、子供とは言えどおススメできません。学校が終わって、練習までの間に何らかの補食(おやつ)が必要です。間食は親が用意する場合と、コンビニやスーパーで買う事がありますね。

間食を親が用意する場合、動くための即効性のある栄養である「糖質」が優れています。おにぎりやサンドイッチなどの用意してあげるといいですね。てバナナ、さつまいもなどでも構いません。

親が忙しい場合は、コンビニやスーパーなどその場で買って食べさせることもあるでしょう。その場合でもおにぎりやサンドイッチがおススメです。

菓子パンは避ける

問題は、学校から練習場まで子供だけで移動し、途中のコンビニなどで買って間食にする場合です。お腹が空いている子供は、何も考えずその時食べたいものを選ぶでしょう。その時に多くの子供は、安くてお腹いっぱいになる菓子パンを選ぶことが多いです。サンドイッチと菓子パンはどう違うか、比較してみましょう。

ミックスサンド(コンビニサイズ)

エネルギー 323kcal
タンパク質 15.3g
脂質 17.5g
糖質 26.1g
塩分 1.9g

コッペパン(イチゴジャムマーガリン)

エネルギー 554kcal
タンパク質 9g
脂質 27.4g
糖質 67.8g
塩分 1.2g

同じパンでも大分違いますね。「糖質は菓子パンの方が多いし、菓子パンの方が安いし、良いんじゃない?」と思うかもしれません。注目するのは、「脂質」です。菓子パンの方が、脂質が多いですね。

この脂質は、とても消化に時間がかかるものです。練習前に脂質を多く摂ると、本来なら消化にエネルギーを使うはずが、練習にエネルギーを取られてしまい、脂質の消化がどんどん遅くなってしまいます。練習後まで消化しきれない脂質は、その後の食事にも影響してしまうのです。

スポーツドリンクは飲むタイミングに注意

練習中や練習後など、スポーツドリンクを飲む子供もいますね。CMの影響もあって、グビグビを飲む姿はなんだかちょっとカッコイイ!?と思っているのかもしれません。しかし、このスポーツドリンクは、ジュースと同じです。熱中症対策としてもおすすめできません。

それは、スポーツドリンクには糖分しか入っていないからです。練習後には糖分も必要ですが、その糖分を確実にエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要ですし、筋力トレーニングの後にはタンパク質も必要です。

スポーツドリンクでは足りないのです。練習中の水分補給も、練習前にしっかり補食(間食)を摂っていれば、スポーツドリンクで糖分を補う必要はありません。

さらに、熱中症対策としても、スポーツドリンクは糖分が多過ぎるのです。脱水状態となった時には、スポーツドリンクではなく経口補水液の方がいいですね。脱水状態を抜けたら、普通の水で十分です。

お風呂上がりにスポーツドリンクを飲む習慣などもおススメできません。お風呂での汗程度では電解質や塩分の不足には陥りませんので、スポーツドリンクの糖分が余分な物になるだけです。お風呂上がりには水を飲むようにします。

兄弟を思いやる食事

全員男兄弟で、みんなサッカーをしているなどの場合であれば、食事は兄弟全員しっかり食べるように準備すればいいので、量は多くなりますが簡単とも言えます。スタイルが要求されるバレエや新体操などをやっている姉妹がいたりすると、親は食事に困ってしまいますね。しっかり食べなければいけない子と、余計なエネルギーを摂りたくない子が一緒の食卓を囲むのですから。

昔から「食べ物の恨みは怖い」というように、食べることは毎日のことなので、争いの種になりがちです。他の人が食べているのと見ると、食べたくなってしまいます。ハードな練習でエネルギーを摂らないといけない時に、食事の量が少ないと痩せてしまいます。だからと言って、どちらかの子が別の部屋で食べたり、食卓で毎回ケンカになったりしてもいけません。

親は大変かもしれませんが、これはとてもよい教育のチャンスです。自分の目標と食べる量をきちん理解して我慢することや、相手を思いやることを、親は子供と膝を突き合わせて一緒に話し合います。

もちろん、子供だけが我慢するのはいけません。子供がお菓子を我慢している前で、親が食べていては意地悪ですよね。親は子供がいない時にこっそり食べるようにしましょう。

寝る子は育つ

筋肉を作り体を大きくするには、食べることや鍛えることと同じく、寝ることが大事です。寝ている間に成長ホルモンが分泌されるので、寝る時間が短い子供はきちんと体が作られないのです。

毎日の練習でクタクタに疲れているのならば、どんなに魅力的なゲームやテレビ番組があっても眠ってしまうのが子供です。いくら「宿題やってから寝なさい!」と言っても、疲れた子供には無理なのかもしれません。好きなテレビ番組もゲームも、宿題さえも早起きしてやるように、生活を変えてしまうのもいいですね。

まとめ

少年サッカー選手の食事は、偏らない栄養が大事です。

主食、主菜、副菜を揃えてバランスの良い食事をします。練習前には糖質主体の補食(間食)をしますが、脂質が多いものは避けるようにします。スタイルを維持しなければいけない兄弟がいる場合には、我慢や思いやりを持つように教えながら、必要な栄養が十分摂れるように親が配慮しましょう。

寝る時間は体を作る大事な時間です。テレビなどの余暇や宿題を朝に行うよう生活をシフトする方法も考慮しましょう。

三沢奈緒子(管理栄養士)●文

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