プロサッカー選手になるための必須条件!食トレとは
サッカーをしている人にとっては、憧れはJリーガーになる事ですね。しかし幾らプレーが上手くても食事をコントロールできなくてはプロで生きてはいけません。
今回は管理栄養士の視点からプロのサッカー選手になる為の食事法を取り上げてみます。
サッカーでプロになる為には食事もプロになろう
サッカーは約90分間も走り続ける、とてもエネルギーを消費するスポーツです。さらに接触プレーがあるので、体も頑丈でなくてはなりません。この2つを両立させるために、体づくりにはとても気を配らなければなりませんね。
プロサッカー選手となると、栄養士がついてきちんと食事のコントロールをしているかというと、日本代表として練習や遠征している時ならともかく、栄養士が毎日管理していることはありません。
プロサッカー選手とて自力でコントロールしていかなければいけないのです。さらに、海外でのプレーを目指しているなら、なおさら食事は自炊できるレベルまでになっていないといけませんね。
そんなプロサッカー選手が必要な食事とはどんなものか、お教えします。
サッカー選手は1試合でどの位消費するの?
25歳、体重65kgの一般人が消費するエネルギー量は大体2600kcal/日(生活活動強度Ⅱ)です。サッカー選手ともなれば、もっとエネルギーが必要になってきます。
プロサッカー選手が、1試合で走る距離は10~13kmです。(GKは4~5km)しかし、サッカーは走るスピードはダッシュからランニング程度まで様々であるばかりでなく、ジャンプ、急な方向転換など、さまざまに動きます。
ポジションによっても、動く量に違いがあるのでなかなか正確な計算はできませんが、一般的なサッカーのエネルギー消費量の計算方法があります。
運動での消費エネルギーは、『METS』という単位で表されます。
サッカーは7METSです。
「消費エネルギー=1.05×METS×体重×時間」
例えば、体重65kgの選手が、1時間半の試合で消費するは、以下の通りです。
1.05×7METS×65kg×1.5時間=715kcal
サッカーは1試合で715kcal消費するということです。なので、1日の生活では約3300kcal必要になります。試合でこの位の消費量ですから、練習では1日に1時間半ではないでしょうし、持久力アップのための走り込みをしたら、もっと消費するエネルギーは多いと考えられます。
怪我の予防にビタミンCを積極的に
サッカーは激しい接触プレーがあります。その衝撃に耐えるために、鎧となる筋肉や丈夫な腱が必要になります。腱や筋肉を作るのは、タンパク質とビタミンCです。
ビタミンCは激しい運動をしてるプロサッカー選手ではどんどん消費されていきますので、サプリメントなどを利用しながら毎日不足しないように摂りたいですね。ビタミンCは果物というイメージがありますが、りんごやバナナにはビタミンCがほとんどありません。じゃがいもやピーマンなどの野菜にも豊富ですので、さまざまな食品を摂るようにすることが大事です。
ビタミンCが多い食品
・柿 1個 250g 160mg
・キウイ 1個 100g 119mg
・いちご 5個 125g 80mg
・じゃがいも 1個100g 35mg
・ピーマン 1個 23mg
疲労回復や、体を大きくしたいなどの理由で、ご飯をたくさん食べるプロサッカー選手もいますが、野菜とご飯だけでは筋肉になりません。
やはりタンパク質が必要です。タンパク質の食品は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品です。しかし、それらには同時に脂肪も多く含まれていますので、なるべく脂の少ないものを選ぶことが大事です。
量は、1回の食事で手のひら1つ分は摂りましょう。鶏肉なら1枚、豚肉ならトンカツ1.5枚程度です。
脂の少ないタンパク質の食品
・卵(ゆで卵)
・ヒレ肉
・鶏ムネ肉(皮なし)
・低脂肪牛乳
外食で1食を摂ってみよう
スポーツ選手とはいえど、プロサッカーのチームには、寮のないクラブチームもあります。そして、寮生活を苦手とする選手は、条件さえ揃えば入寮から1年程度で退寮する選手もいます。
一人暮らしをする選手の中には、毎日自分で作って食べる人もいるかもしれませんが、やはり外食や中食(買って食べる)に頼るところが大きいですね。遠征で地元を離れても、日本ならばチェーン店やコンビニが各地にあるので、自分のベストなチョイスを持っておくことが大事です。
◎ファミリーレストラン
ファミリーレストランは、一人でも入れる雰囲気で、日本全国にあるので利用する選手も多いですね。ファミリーレストランのメニューは、ちょっと豪華なメニューになるとその1品だけで1000kcalを超えることは珍しくありません。
ライスやサラダを付けると、軽く1500kcal超えてしまいます。バランスとしては、揚げる調理法だったっり、肉などに脂が多く、サラダのドレッシングなどにも油が含まれており、それがカロリーを上げていると覚えておきましょう。
ファミリーレストランのベストチョイス
・焼いた肉のプレート(付け合わせのコーンやポテトは避ける
・ライス大(250~260gで0.8合程度
・サラダバー(ドレッシングはノンオイル
◎コンビニ
1日練習の日やオフの日に、コンビニで昼食を買う事はプロサッカー選手でもよくあることです。また、朝早くから移動する日などもコンビニは便利ですね。そんな時に、何を選ぶかはとても重要です。コンビニで食事を選ぶ時、菓子パンはNGと思いましょう。
コンビニでのベストチョイス
・肉や魚の入ったお弁当(ご飯量は250g程度で0.8合ほど
・サラダやお浸しなどの野菜のおかず
・乳製品(ヨーグルトやチーズ
・お茶(みそ汁でも可
◎牛丼チェーン
牛丼のチェーン店は、早く食べられるのが良いですね。男性なら通うことも多い外食店です。牛丼のご飯や具材の量をカスタマイズできたり、さまざまな副菜があります。
牛丼の肉の量は意外と少なく、脂身の多い肉を使っていることがほとんどです。さらに、疲労回復したい場合は、ビタミンB1の多い豚丼を選ぶのがいいですね。野菜が少なくなりがちですので、豚汁やサラダなどがあれば積極的に選びます。
牛丼チェーンでのベストチョイス
・豚丼大(ご飯量320gは米1合になります
・卵トッピング又は冷や奴(足りないタンパク質を補います
・豚汁又はけんちん汁(野菜を少しでも補います
自炊をしよう
寮ではある程度食事がコントロールされていますが、寮を出ると完全に一人で考えて食べなければなりません。結婚して奥さんが作ってくれることもありますが、一人暮らしの場合は作ることからです。
いくらバランスの良い完全な食事でも、一人で準備できなければ続けることはできないのです。自分の好みと体調と、自炊レベルを考慮したうえで、食事プランを考えます。今まで自炊したことがない人もいるかもしれません。
ネットや本を片手でも構いません。ご飯を炊いたり、みそ汁を作ったりすることから始めましょう。
朝食プラン(和食)
ご飯(1合)
納豆(1パック)
卵入り野菜みそ汁
朝食プラン(洋食)
トースト(4枚切り1枚)
スクランブルエッグ(卵2個)
野菜たっぷりのコンソメスープ
牛乳(200ml)
野菜はサラダで食べるより、朝はスープにした方が量も摂れて体も温まるのでおススメです。外食しずらく、どうしても抜いてしまいがちになるのが朝食です。少なくとも、プロという世界で仕事をしている以上、この位は自分で用意できるようにしたいですね。
まとめ
プロサッカー選手は、1試合で800kcal程度消費します。怪我防止のために、ビタミンCやタンパク質をしっかりとりましょう。
遠征や海外でプレーする事も考えて、外食での選び方や最低限の自炊などの知識をしっかり持っておくことが大事です。自分の体は自分で作るつもりで食事の知識を深め、何をどう食べるかを考え、その場で食べたいものを食べるのではなく、計算して食べられるようにしておきます。
三沢奈緒子(管理栄養士)●文
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