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場所なし・金なし・時間なし!三重苦でも甲子園出場!小山台高校

 2016/07/03 高校野球と甲子園
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都立高校は甲子園には行けないのか?冗談じゃない。
私立高校に比べ練習量・予算・設備。すべてに劣っているのは事実。
それでも創意工夫で乗り越え、甲子園出場を果たした学校がある。
都内屈指の進学校都立小山台高校だ。
文武両道!今回は小山台高校野球部の練習方法に焦点をあてる。

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東京の公立高校の野球部の環境は私立に劣る。

甲子園に出場した学校を見てみると、今やその大半が専用球場を持っている。地方の公立高校など、中には校庭の一角でやっていて他のクラブと共有という学校もあるけれど、思った以上に少なくて驚いた。やはり、それなりの場所がないことにはお話にならないんだなと、痛感させられる。

場所だけでなく、加えて必要なのは練習時間、そしてお金。野球というスポーツは練習のバリエーションが多く、また打撃練習の順番を待ったり守備についている時間をいい例に、意外と〝待ち〟の時間が多い。必然的に、ある程度の練習時間が必要になってくる。しかも道具云々に、練習試合が活発なため移動のための交通費や食費も当然かかる。こうした背景の中、どのチームもこのご時世である。贅沢三昧ではなく、どこでどう工夫しようかと頭をひねっていることだろう。

場所、時間、お金なしとなると、これはまさに三重苦。全国4000の学校の中で、「3つのうちの1つはないです」というチームはかなりあると思うが、「3つともないよ!」という環境下で甲子園出場を果たしたのが東京都立小山台高校だ。2014年のセンバツに21世紀枠で出場。選考となる秋の都大会ではベスト8止まりだったが、毎年夏の大会で好成績を収め、長年の努力が認められて選出された。

創意工夫で練習をする小山台ナイン

グラウンドは、むろん校庭の一角。広いとはお世辞にもいえず、バッティング練習では思い切り打ったら民家にボールが飛び込むのでご法度。ハーフバッティングが基本で、気持ちよく打てるのは鳥かごと呼ばれる小さなケージの中だけだ。
しかもそのグラウンドをサッカー部、ラグビー部、陸上部と共有で使うため、1週間のうちに2日は押し出しを食らう。つまり、校庭を使えない日があるのだ。そのときは校外に出るか、校内のどこかで何かをやって終わらせるしかない。

そんな日の練習風景は、これぞTHE・高校野球。下駄箱のある昇降口のドアのガラス戸に自分の姿を映しながら素振りをしたり、シャドーピッチングをしたり。下校する生徒たちは、彼らの姿を横目にそそくさとその場を通り過ぎる。駐輪場ではラダーを使ってトレーニングをし、バドミントンのシャトルをボール代わりにトスバッティング。とにかく、いろいろな工夫を凝らして練習を続けている。

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部員が多いので、指導者は常に彼らが飽きないように練習内容を考えるのだが、聞いた話でおかしかったのがあるときエアロビクス系トレーニングを取り入れたときのこと。具体的に言えば、ビリー・フランクスの『ビリーズブートキャンプ』(短期集中型エアロ)がいいと耳にし、わざわざプロジェクターを用意して選手にやらせてみたそうだ。
ところが、やり始めてしばらくして、何かぴんと来なかったのだろうか。監督が突然音楽を止め「はい、終わり」。選手は慣れてきて、ちょうどノリノリになってきたところだったのにいきなりのブチッ。「え?」と、一瞬目が点になっている選手たちがいたそうな。それ以来、このトレーニングはまったく行われなくなったそうである。

いいと聞いたらまずはやってみて、合わないなと思ったら即効で退散。情報を素早くつかみ、パクリと言われようとやってみて、最後は引き際も肝心! 指導者も試行錯誤を繰り返す。ちなみに、小山台高校ではとくに飽きてしまいがちな冬のトレーニングの一貫として、メディシンボールや卓球などに力を入れたことも。この先はまたどんなアイデアを持ち込んでくるのだろうと、楽しみにしている。

藤井利香●文

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ライター紹介 ライター一覧

藤井利香

藤井利香

東京都生まれ。日本大学卒。

高校時代は(弱小)ソフトボール部の主将・投手・4番として活躍。大学では、体育会ラグビー部の紅一点マネージャー。関東大学リーグ戦グループ・学生連盟の役員としても活動。

卒業後は商社に勤務するも、スポーツとのかかわりが捨てがたく、ラグビー月刊誌の編集に転職。5年の勤務のあと、フリーライターとして独立。高校野球を皮切りに、プロ野球、ラグビー、バレーボールなどのスポーツ取材を長く行う。現在は、スポーツのほかに人物インタビューを得意とし、また以前から興味のあった福祉関係の取材等も行っている。


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